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ロシア兵が「捕虜を残虐に処刑」する動画が公開──ゼレンスキー「殺人者たちを見つけ出す」

Zelensky Vows to Find 'Murderers' of Soldier Killed in Brutal Video

2023年3月8日(水)19時30分
アイラ・スリスコ
ゼレンスキー

Dmytro Larin-Shutterstock

<ウクライナ政府関係者は、この動画はロシア軍による戦争犯罪の証拠だと示唆し、必ず犯人を捕えると宣言>

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、戦争捕虜を残虐に殺害したロシアの「殺人者たち」を見つけ出すと約束した。

3月6日、ある動画がオンラインで公開された。ウクライナの兵士が「ウクライナに栄光あれ」と言った後、ロシア兵により銃で処刑される様子を撮影したとするものだ。本誌は、この動画が本物かどうか、いつどこで撮影されたかを独自に検証していない。だが、ゼレンスキーをはじめとするウクライナ政府関係者は、この動画はロシア軍による戦争犯罪の証拠だと示唆し、必ず犯人を捕えると宣言している。

【画像】ロシア兵に「残虐に処刑」されたとされる非武装ウクライナ人捕虜

ゼレンスキーは毎晩行っているテレビ演説で、「ウクライナでは、いつも聞こえてくる言葉がある。『ウクライナに栄光あれ!』という言葉だ」と語った。「そして、何百万もの人々がいつも応える。『英雄に栄光あれ!』と。これはいつまでも続くだろう。ウクライナは、ウクライナに自由をもたらすために命を捧げた一人一人の偉業を決して忘れない」

「今日、占領軍が1人の兵士を残酷に殺害する動画が公開された。この兵士は、占領軍に向かって勇敢に『ウクライナに栄光あれ!』と言った」

「私たち全員で、彼の言葉に応えたいと思う。『英雄に栄光あれ! 英雄たちに栄光あれ! ウクライナに栄光あれ! そして、私たちは殺人者たちを見つけ出す』」

ウクライナ大統領府長官のアンドリー・イェルマークは6日、この動画をテレグラムで共有し、これは「『ナチス』に関するプロパガンダと神話」を通じて「ロシアで培われてきた」戦争犯罪の一例だと断じた。

「捕虜になった人を殺すことも、その一例だ」とイェルマークは続けた。「また、彼らの国が、卑しく弱い存在であることの一例でもある。そのような戦争犯罪には、必ず報復がある。誰も隠れることはできない」

ウクライナ最高会議人権委員会のドミトロ・ルビネツは、無修正の動画をツイッターで共有し、この処刑はロシア軍による「極悪非道」の一例だとコメントした。

さらにルビネツは、捕虜の処刑はジュネーブ条約で禁止されており、国際法違反にあたると指摘し、ロシアが「残虐行為の責任を逃れることはない」と述べた。

この生々しい動画では、捕虜になったばかりのウクライナ兵が、たばこを吸いながら塹壕に立っているように見える。ロシア兵と思われる声が誰かに撮影を指示した後、捕らえられた兵士が静かに「ウクライナに栄光あれ」と言う。

その直後、ロシア兵が「この野郎」と言い、挑発的なウクライナ兵に対して銃弾が連射され、ウクライナ兵は地面に倒れる。動画の最後では、ロシア兵がウクライナ兵に「死ね、この野郎」と言っている。ウクライナ兵はすでに死んでいるように見える。

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