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他国名義と寝技でレアメタルを買いあさる中国に、対抗する世界の動き

2022年11月15日(火)12時13分
ブルース・シェン

同盟国や友好国でサプライチェーンを構築する「フレンド・ショアリング」の強化は、中国やロシアへの依存を下げることにつながる。EUも自由貿易の正統主義を捨てて、9月にエネルギー転換に必要な原材料開発促進に向けた「重要原材料法案」策定を発表した。

中国とのデカップリングのペースは、国によって差が出るだろう。例えば、オーストラリアは長く中国に鉄鉱石やリチウムを供給してきた。新型コロナウイルスの「起源」をめぐる外交論争の後、21年に中国の対オーストラリア投資額は69%減少した。

だが、11月初めにシドニーで開催された国際鉱業資源会議でオーストラリアの資源相は、中国に対し国内のリチウム鉱山事業からの撤退を求めず「現状のままとする」と述べた。

レアメタル競争で中国に追い付くチャンスは、まだ十分にある。中国は国内で精製工場に補助金を出し、国外では政策銀行が買収資金を提供するなど、国の手厚い支援で先行している。

対する欧米諸国は、産業政策と投資審査を組み合わせ、投資業者と製造業者を支援している。これは正しい方向への第一歩だ。

From thediplomat.com

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