最新記事

仮想通貨

カーダシアンにマット・デイモン、セレブが宣伝する仮想通貨に要注意?

Kim Kardashian's Crypto Fine Raises Questions About Matt Damon

2022年10月4日(火)18時08分
ライアン・スミス

カーダシアンは和解できてホッとしたというが(写真は4月30日)Tom Brenner-REUTERS

<暗号資産を宣伝して報酬を受け取ったカーダシアンはSECと126万ドルを支払って和解。映画の予告編並みにカッコいい暗号資産のCMに出演していたマット・デイモンはどうなる?>

「お騒がせセレブ」として名高いキム・カーダシアン(41)が、暗号資産(仮想通貨)を違法に宣伝した疑いについて、米証券取引所(SEC)と和解した。だがカーダシアンは提訴されたのなら、なぜ俳優マット・デイモン(51)はお咎めなしなのか?

SECの10月3日の発表によれば、カーダシアンは和解に際してSEC側の主張を肯定も否定もせず、罰金や不正に得た利益の返還などで126万ドルを支払うことと、SECの捜査に協力することに同意した。

2021年6月、カーダシアンはフォロワーに向かって、「もうクリプトは買った? ついさっき友人が、イーサリアムマックスの仮想通貨について話してくれた。数分間、イーサリアムは資産の半分の400兆トークンを投資家に還元しました」

報道によれば、イーサリアムマックスが提供する暗号資産「EMAXトークン」相場は急騰した後に急落、ほとんど無価値になった。カーダシアンはこの宣伝の見返りに25万ドル受け取ったがそれを開示していなかった。さらに、相場が高騰したところで売り抜け巨額の利益を得た疑いもある。

【動画】カーダシアンの仮想通貨「事件」を報じる芸能ニュース

SECがカーダシアンを告発したことが発表された後、カーダシアン(資産総額は18億ドルと推定される)の代理人であるマイケル・ローデスは本誌に対して、彼女は捜査に協力していると語った。

ローデスは「カーダシアンは当初からSECに全面的に協力しており、今後もこの問題について、できる限りの協力をしていく考えだ」と声明で述べ、「彼女は議論が長引くことを避け、この問題とは決別したいと考えていた」と続けた上で、さらにこうつけ加えた。「SECとの和解はそれを可能にし、彼女が気持ちを切り替えて、さまざまな事業を進めていくためのものだ」

仮想通貨取引所のCMに出演したデイモン

カーダシアンとSECの和解が発表されると、ソーシャルメディア上では多くのユーザーから、なぜマット・デイモンはお咎めなしなのか、という声が上がった。

デイモンは2021年10月、「運命は勇者に味方する」の決め台詞でリスクを取ることを奨励した仮想通貨取引所「クリプト・ドットコム」の広告に出演した。まるで映画の予告編なみのかっこよさだ。当時、記録的な高値をつけていたビットコインなどの仮想通貨はその後、記録的な安値に下落。ビットコインの価値下落は、イーサリアムやテザー、BNB、ドージコインやカルダノといった、その他の暗号通貨にも影響を及ぼし、いずれも価値が段階的に下落している。

【動画】仮想通貨取引所「クリプト・ドットコム」の広告に出演したマット・デイモン

ツイッター上には、カーダシアンとSECの和解が発表されてから数時間で、デイモンに関するミームやコメントが数多く投稿された。

ビジネスニュース専門のニュースレター「モーニング・ブリュー」は、デイモンの写真とSECのロゴマークをセットにして、「私は誰も恐れない。だが例のもの......あれが私を恐怖に陥れている」というコメントを書き込んだ。「例のもの」がSECのロゴマークを指しているのは明らかだ。この投稿には「マット・デイモンにとって恐怖の日」という説明が添えられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米鉱工業生産、4月製造業は0.3%低下 市場予想下

ビジネス

米4月輸入物価、前月比0.9%上昇 約2年ぶり大幅

ワールド

EXCLUSIVE-トルコ、予算削減額は予想上回る

ビジネス

米金利維持が物価目標達成につながる=クリーブランド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 3

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃のイスラエル」は止まらない

  • 4

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 5

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 6

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 7

    2023年の北半球、過去2000年で最も暑い夏──温暖化が…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    仰向けで微動だにせず...食事にありつきたい「演技派…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中