最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナが東部ドネツク州の要衝リマン奪還 チェチェン首長「ロシアは核兵器使うべき」

2022年10月2日(日)18時26分
ウクライナ国旗を掲げるウクライナ軍兵士

東部ドネツク州北部の要衝リマンを奪還しウクライナ国旗を掲げる兵士。FRANCE 24 English / YouTube

ウクライナ軍は1日、東部ドネツク州北部の要衝リマンをロシアから奪還したと発表した。前日に東・南部のルガンスク、ドネツク、へルソン、ザポロジエ4州の併合を宣言したロシアには大きな痛手。リマンはウクライナ軍が9月に反転攻勢を加速させてから、両軍の新たな戦闘の中心地となっていた。

ウクライナ軍の兵士らが、リマン中心部で町を制圧したことを発表。その様子を写した映像を、ウクライナ大統領府のキリロ・ティモシェンコ副長官が投稿した。兵士らは建物に掲げられていたロシア国旗を降ろし、ウクライナ国旗を掲揚した。

ロシア国防省はこの数時間前、同地域から軍を撤退させると発表。包囲による脅威が生じているとしていた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は演説で、ロシア支配下にあるドネツク州とルガンスク州を含むドンバス地方でさらなる奪還を目指すと約束した。

オースティン米国防長官は1日の会見で、リマン奪還に勇気づけられると発言。ロシア軍がリマンを輸送路の拠点としていたことから、今後は窮地に立たされるとの見方を示した。一部でロシアの核兵器使用が懸念されているものの、長官はリマン奪還でロシアの攻撃がエスカレートするかどうかについての見解は明らかにしなかった。

一方、プーチン氏を支持するロシア・チェチェン共和国のカディロフ首長は「国境地帯に戒厳令を敷き、低出力核兵器を使う強硬策を取るべきだ」と、メッセージアプリのテレグラムに投稿した。

メドベージェフ前大統領などの高官も、ロシアが核兵器に頼る必要がある可能性を示唆している。

米国は、核兵器が使用された場合、断固とした対応を取る方針を表明していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ

ワールド

ベネズエラ沖で2隻目の石油タンカー拿捕、米が全面封

ワールド

トランプ氏関連資料、司法省サイトから削除か エプス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中