最新記事

米中対立

米バイデン政権、台湾に1500億円超の武器売却へ 中国「対抗措置」の構え

2022年9月3日(土)18時42分
台湾の青天白日満地紅旗

米国防総省は2日、台湾に対する11億ドルを超える武器売却を承認した。7月28日撮影(2022年 ロイター/Ann Wang)

米国務省は、台湾に対する11億ドル(約1,542億円)を超える武器売却を承認した。国防総省が2日に発表した。中国は反発し対抗措置を取る構えを示している。

先月のペロシ下院議長の訪台を受け、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を行っている。

国防総省の国防安全保障協力局によると、対艦ミサイル「ハープーン」60基や空対空ミサイル「サイドワインダー」100基のほか、監視レーダー計画へのロジスティック支援などが含まれる。

在ワシントン中国大使館の報道官は声明を発表し、米国による武器売却の可能性は「中米関係と台湾海峡の平和と安定を著しく危うくする」と指摘。「中国は事態の進展に鑑み、合法的かつ必要な対抗措置を断固として講じる」と述べた。

バイデン政権は、この武器売却計画は以前から検討されてきたもので、台湾と米国の議員の協議によって策定されたとしている。

ホワイトハウスの中国・台湾担当高官、ローラ・ローゼンバーガー氏は「中国が台湾周辺での軍事的プレゼンス拡大などを通じて、台湾への圧力を強め続け、台湾海峡の現状を変えようとしているため、われわれは台湾が自衛能力を維持するために必要なものを提供している」と声明で述べた。

国防総省は、今回発表した装備と支援が地域の基本的な軍事バランスを変えることはないとの認識を示した。米政府高官らは、台湾に対する米国の政策転換を反映するものではないとしている。

国務省の報道官は、匿名を条件に「これらの売却案は、台湾の軍近代化と信頼性のある防衛力維持に向けた継続的な取り組みを支援するための定期的な事例だ」と語った。

台湾国防部(国防省)は声明で感謝の意を表し、このところの中国による「挑発的」行為は深刻な脅威をもたらしており、武器売却は中国の軍事的圧力に立ち向かうのに役立つと指摘。

また「同時に台湾の総合的な防衛力を強化し、台湾海峡とインド太平洋地域の安全と平和を共に維持するのに寄与することも示している」と述べた。

武器売却は議会の承認が必要になるが、民主、共和両党の議会関係者によると、反対は見込まれていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イラン元皇太子が国内で支持得られるか不

ワールド

韓国中銀、予想通り金利据え置き 金融安定を優先

ワールド

欧州議会、トランプ氏のグリーンランド領有脅威で米と

ワールド

中国、米・イスラエルのセキュリティー対策ソフトの使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 6
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 9
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 10
    宇宙に満ちる謎の物質、ダークマター...その正体のカ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中