最新記事

軍事

アゼルバイジャン=アルメニア、軍事衝突続く アルメニア兵105人死亡

2022年9月15日(木)09時51分
アルメニアとの境界地域を移動するアゼルバイジャンの部隊

旧ソ連構成国のアゼルバイジャンとアルメニアの間で新たな軍事衝突が発生した。写真はアルメニアとの境界地域を移動するアゼルバイジャンの部隊。アゼルバイジャン国防省が13日に公表した映像より(2022年 ロイター)

旧ソ連構成国のアゼルバイジャンアルメニアの間で14日、新たな軍事衝突が発生した。

アルメニア国防省はアゼルバイジャン軍が大砲や迫撃砲、小銃を発射したと非難し「国境の状況は緊迫が続いている」と指摘。パシニャン首相は議会で、今回の衝突開始以降アルメニア兵105人が死亡したと明らかにした。アルメニアはロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に支援を要請したという。

アルメニアのホヴァニシャン外務次官はこの日、ロイターに対し、軍事衝突が戦争に発展する恐れがあるとし、ロシア軍がウクライナに侵攻する中、旧ソ連構成国の間で2回目の大規模な武力衝突が起きる恐れがあると懸念を示した。

アゼルバイジャンは、ロシアと軍事同盟を結ぶアルメニアが迫撃砲や大砲で攻撃したとし、衝突が発生してから民間人2人が負傷したと主張。アゼルバイジャン国防省は「われわれの陣地は現在、定期的に砲撃を受けている。部隊は必要な対応策を講じている」とした。

アルメニア国防省は、アゼルバイジャンに対する砲撃を否定している。

13日は係争地ナゴルノカラバフを巡り両軍が衝突し、少なくともアルメニア軍で49人、アゼルバイジャン軍で50人の死者が出た。

両国の全面的な紛争はロシアとトルコを巻き込む恐れがある。また石油と天然ガスを輸送するパイプラインが通る重要な地域が不安定になりかねない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中