最新記事

日韓関係

韓国ユン政権、来週日本に高官を派遣 懸案解決の対話開始めざす

2022年7月15日(金)15時32分
韓国の朴振外相

韓国政府当局者は、高官による来週の日本訪問が両国間に横たわる歴史問題の打開に向けた対話の始まりになることを期待していると述べた。写真は韓国の朴振外相。5月韓国ソウルでの代表撮影(2022年/ロイター)

韓国政府当局者は、高官による来週の日本訪問が両国間に横たわる歴史問題の打開に向けた対話の始まりになることを期待していると述べた。

共同通信は14日、韓国の朴振外相が18日に就任後初めて来日する方向で日韓両政府が最終調整に入ったと伝えた。韓国政府は報道を確認していない。松野博一官房長官は15日の閣議後会見で、朴外相の訪日について「何ら決まっていない」と述べた。

5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の高官はロイターに、先の参議院選挙で岸田文雄首相が率いる自民党が大勝したことを心強く思うと語った。

別の高官は、尹錫悦大統領が遊説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬に首相率いる政府代表団を派遣する方針だと述べた。

また、尹大統領が日本の植民地支配からの解放を記念する8月15日の光復節で行う演説で日本に和解のメッセージを送る見込みで、「われわれは真の会談のための扉を開こうとしている」と語った。

アナリストの間では、岸田氏が安倍氏が取り組んできた憲法改正などを優先し、韓国政策は後回しにする可能性があるとの見方も一部にあるが、韓国政府関係者からは、バイデン米大統領の圧力もあり日本はより積極的に対話しようとしているとの声が聞かれる。

日韓の懸案の一つである元徴用工問題について、ある高官は尹政権が原告と日本政府の両方が納得する「現実的で実現可能な提案」を目指していると述べた。別の高官は、補償問題は貿易やその他の問題と一緒に解決されるべきで、妥協はより困難になる可能性があると指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中