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櫻井翔と戦争の記憶

若者はこうして戦地へ送られた──櫻井翔が日本近代史家・秦郁彦に聞く

YOUTH AT WAR

2021年12月21日(火)18時55分
ニューズウィーク日本版編集部

櫻井 秦さんは長年、第2次大戦の研究をされてきましたが、どんなスタンスで研究してきたのですか。

 戦前期の近代史研究者として、日本が関わった軍事と戦争が占める比重は大きく、避けては通れません。直接の動機の1つは、戦争中の大本営発表です。極端な例では、44年10月の「台湾沖航空戦」で、米空母11隻を撃沈、全滅させたと発表し、政府は全国にお祝いの酒を特配しました。戦後に判明したところ、戦果はゼロでした。私は中高生の時になぜこんな誤報がまかり通ったのか、真相は何かと調べ始めたのです。

歴史家はエモーションに流されず、史実関係と直接の因果関係を確定するというのが私の信条です。戦後七十数年、310万人の日本人が犠牲になった太平洋戦争も、ようやく歴史の一コマとなってきました。思想を超えて見直す時期に入ったと思います。

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