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メルケル後のドイツ新政権は日本を見習え

Germany Can Learn From Japan’s China Strategy

2021年11月17日(水)18時21分
ノア・バーキン(ローディアム・グループ編集長)

肯定的な面をあげるならば、連立を予定している政党はドイツの国家安全保障戦略の必要性について合意しているようだ。インド太平洋戦略に焦点を合わせてもいる。さらには、海外援助と戦略的優先事項をうまく連携させるためドイツの外交と経済開発の省庁を統一するといった調整も考慮すべきだろう。

体制の変化で実現可能なことには限度がある。上からの明確なビジョンがなければ、ドイツの国家安全保障の仕組みを見直しても、政府内の部門間の連携が悪いという問題は解消されない。

だが日本が過去数年間に講じた措置は、中国が引き起こす問題に対して制度的により機敏な対応ができるようにするという点で、ドイツが進むべき道を示している。体制を変えることは、ドイツの外交政策の優先事項がどこにあるかを中国に対して明らかにし、重要なメッセージを伝える効果がある。

メルケル政権下では、中国に関する戦略が明確に見えないことが多かった。新政権の発足は、ドイツの外交政策を補強するための構造を再考し、より統合されたアプローチを作りあげる絶好のチャンスだ。ショルツと連立のパートナーは、日本のやり方を見て、このチャンスをつかむべきだ。

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