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中国に断固対処する決意の表れ「AUKUS」、成功のカギを握るのはインド

India Welcomes AUKUS Pact

2021年9月22日(水)17時55分
C・ラジャ・モハン(シンガポール国立大学南アジア研究所所長)

フランスとの協力も模索

だがインドは国産の攻撃型原潜建造を進めており、フランスやアメリカとの協力の可能性も模索しているとされる。

アメリカが原潜技術の供与を渋ってきたのと違い、フランスはブラジルの攻撃型原潜建造に向けた技術支援協定に調印している。AUKUSが実現すれば、インドと同様の協定を結ぶ可能性が出てくるはずだ。それはフランスがインド太平洋における主要当事国であり続ける方法の1つになるだろう。インドにとっては、原潜を開発しロシアへの依存を減らす手段になる。

最後に、AUKUSはアジア安全保障をめぐる駆け引きの重要なシフトを示している。

1970年の核拡散防止条約(NPT)発効以来、アジアの核秩序は、アメリカの同盟国が核兵器を保有せずアメリカの「核の傘」に依存することを前提としてきた。だが中国の軍事力が増大し、「核の傘」の信頼性が揺らぐにつれ、核兵器保有という選択肢が新たに議論されている。英米の原潜技術をアジアの同盟国に供与することは、従来の抑止力を大幅に強化し、「核の傘」でも核拡散でもない妥協策となり得るかもしれない。

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