最新記事

中東

イスラエル、空爆継続で北ガザ司令官殺害 地下トンネル網爆撃

2021年5月18日(火)09時56分

イスラエル軍は17日もパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対する集中的な空爆を継続し、北ガザの司令官を殺害したほか、ハマスが利用している地下トンネル網を爆撃した。写真はガザ市で撮影(2021年 ロイター/Mohammed Salem)

イスラエル軍は17日もパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対する集中的な空爆を継続し、北ガザの司令官を殺害したほか、ハマスが利用している地下トンネル網を爆撃した。イスラエルに対するロケット弾攻撃も継続しており、事態沈静化の兆しは見られない。

イスラエル軍が殺害したのは「イスラミック・ジハード」の北ガザのHussam Abu Harbeed司令官。 イスラエル軍によると、この人物はイスラミック・ジハードの司令官を15年務めており、軍事衝突が始まった日の攻撃に関与。声明で「イスラエルの一般市民に対する数件のミサイル攻撃の背後にいた」とした。

イスラミック・ジハードはハマスとともにイスラエルと戦っており、司令官殺害直後にイスラエルのアシュドットに対するロケット弾攻撃を実施。イスラエル警察によると、この攻撃で3人が軽い怪我を負った。

イスラエル軍は、ガザ地区にあるハマス幹部の住居9カ所も攻撃。このほか、ビールシェバとアシュケロンがロケット弾に攻撃を受けたことを受け、ハマスが利用している地下トンネル網のうち15キロ分を攻撃した。

ガザの保健当局によると、攻撃が始まった10日以降、子ども58人と女性34人を含む204人が死亡。イスラエル当局によると、同国では子ども2人を含む10人が死亡した。

攻撃の応酬が収まらない中、米国のブリンケン国務長官は一般市民を守るよう呼び掛けると同時に、米政府は水面下で停戦に向け尽力していると表明した。

こうした中、ボズクル国連総会議長は20日に国連総会を開催し、紛争を巡って話し合うと表明した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア経済、悲観シナリオでは失速・ルーブル急落も=

ビジネス

ボーイング、7四半期ぶり減収 737事故の影響重し

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に

ビジネス

米テスラ、従業員の解雇費用に3億5000万ドル超計
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中