最新記事

アメリカ政治

ブッシュ政権時代の幹部が共和党離れの動き トランプ排除進めぬ党に幻滅

2021年2月2日(火)12時35分

かつてジョージ・W・ブッシュ政権を支えた多数の共和党員の間で、党を離れる動きが広がっている。写真は1月20日のバイデン大統領の就任式に出席する同氏、代表撮影(2021年 ロイター)

かつてジョージ・W・ブッシュ政権を支えた多数の共和党員の間で、党を離れる動きが広がっている。トランプ前大統領が選挙の不正を主張し、支持者が議会議事堂に乱入した後も、現職議員がトランプ氏排除に動かないことに幻滅しているためだ。

ロイターの取材で明らかになった。

これらの幹部は、トランプ氏の敗北で党指導部が前大統領と決別し、11月の大統領選を巡る根拠のない主張を批判することに期待していた。

しかし、共和党議員の大半がトランプ氏にこだわる様子を見て、もはやかつて自身が支えた党を理解できないと感じている。党員をやめたり、再登録しなかったり、無党派になる者もいるという。

ブッシュ政権で財務次官を務めたジミー・グルレ氏は「わたしの知っていた共和党はもう存在しない。あれはトランプのカルトだ」と一蹴した。

ブッシュ政権下のホワイトハウスで6年間働いたクリストファー・パーセル氏は、当時高官だった60─70人が党を離れることを決めたり関係を断っていると指摘。「その数は日々増えている」と述べた。

このように共和党を離れる動きは、トランプ氏とそのレガシーを巡る党内対立が分裂を招いていることの象徴とみられている。

共和党議員の半数以上は、議事堂乱入直後の採決で大統領選挙結果の承認に反対した。

上院議員の大半はトランプ氏の弾劾を支持しないとみられている。

かつての共和党幹部にとっては、党指導部がトランプ氏の否定に消極的なことが最後の一撃になった。

ブッシュ政権で財務省幹部だったロザリオ・マリン氏は「トランプの党であり続けるなら、われわれの多くは戻らない。上院が彼を有罪にし、自分たちからトランプというがんを取り除かない限り、共和党指導部を支持できない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・議会突入の「戦犯」は誰なのか? トランプと一族、取り巻きたちの全内幕
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

国内債は超長期中心に数千億円規模で投資、残高は減少

ワールド

米上院、TikTok禁止法案を可決 大統領「24日

ビジネス

アングル:ドル高の痛み、最も感じているのはどこか

ワールド

米上院、ウクライナ・イスラエル支援法案可決 24日
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中