最新記事

韓国

韓国は中国を気づかって、米日豪印4ヶ国連携「クアッド」参加を否定

2020年10月15日(木)16時30分
佐々木和義

「良いアイデアではない」とクアッド参加を否定した韓国の康京和外交部長官  Markus Schreiber/REUTERS

<10月4日から東京で、米国、日本、オーストラリア、インドの4ヶ国が連携を強化する外相会合、通称「クアッド(Quad)」が行われたが、一方、韓国の文在寅政権はクアッド加盟を否定する考えを示している......>

去る10月4日から6日、マイク・ポンペオ米国務長官が、米国、日本、オーストラリア、インドの4か国が連携を強化する外相会合、通称「クアッド(Quad)」に出席するため東京を訪問した。

クアッドは米国、日本、オーストラリア、インドの4か国が、インド・太平洋地域での中国牽制を意図した協議体で、米国はさらに連携を強化し、アジア版NATO(北大西洋条約機構)とも言える「クアッド・プラス」を構築したい考えとも言われる。ポンペオ国務長官は、会議後に韓国を訪問してクアッド・プラスへの参加を提案、続いてモンゴルを訪問する予定だったが、トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染を理由に日本以外の訪問を取りやめた。一方、韓国の文在寅政権はクアッドを否定する考えを示している。

韓国とベトナム、ニュージーランドを含めた米国の「クアッド・プラス」構想

クアッド第1回会合は、2019年9月、米ニューヨークで開かれた。2回目となる今回は東京で開催され、日本の主導で「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向けた協議が行われた。

茂木外相は「4ヶ国は民主主義、法治、自由経済という基本的価値観と、地域の責任あるパートナーとして、規則に従った自由で開放された国際秩序を強化していく目的を共有している」と発言。また、会議とは別に菅義偉首相ーポンペオ長官、茂木外相ーポンペオ長官の会談も開かれ、日米同盟の一層の強化を確認した。米国はNATO(北大西洋条約機構)に倣った「クアッド・プラス」を構築したい考えとも言われ、米国やNATOの同盟国と中国の軍事的脅威に晒されている周辺国を参加国候補に上げている。

クアッド東京会議に先立つ今年8月31日、米国のビーガン国務副長官兼北朝鮮政策特別代表が、韓国、ニュージーランド、ベトナム、台湾などを潜在的な協力国に挙げ、またマーク・エスパー米国防長官は9月16日に米安全保障シンクタンクのランド研究所が主催した講演で「米国と日本、オーストラリア、韓国、シンガポールなどを考えなければならない」と話し、また、NATO加盟国など欧州の同盟国との連携も示唆する発言を行なった。アジア太平洋地域では、日本とオーストラリア、ニュージーランド、韓国、モンゴルがNATOのグローバル・パートナーシップに参加している。

中国との間に問題を抱えるアジア太平洋地域

日本は尖閣諸島で中国の活動に悩まされており、また、アジア太平洋地域の自由で開かれた海洋秩序の維持と強化に取り組んでいる。

インドは中国との軍事的緊張が続いている。インド政府が中国から逃れたダライ・ラマ14世とチベット亡命を受け入れ、62年に中印国境紛争が発生した。カシミール地方は、インドと中国、パキスタンが領有権を主張しており、17年には国境で小競り合いが、20年5月には中印両軍が衝突して負傷者が出た。9月6日にも中国軍兵士約200人がインドに侵攻し、インド軍が威嚇射撃を行った。インドはこれまで多国間の軍事同盟には参加してなかったが、米国が参加を呼びかけた。

オーストラリアは中国との軍事的な問題は起きていないが、オーストラリア政府が、新型コロナウイルスが蔓延した原因を究明するため、中国に対する調査を開始した直後に中国政府がオーストラリア人ジャーナリストを拘束して両国関係が悪化した。

ほかに、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイなどが中国との間で領土問題を抱えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ゴールドマン、第4四半期原油価格予想上げ ホルムズ

ワールド

米ロがフロリダで経済作業部会会合、現在のエネルギー

ビジネス

ゴールドマン、米利下げ時期予想後ずれ 中東紛争に伴

ワールド

米政権、低リスク渡航者の入国迅速化制度を再開 業界
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中