最新記事

欧州

イタリア、国民投票で議員数3分の1削減が決定「報酬高過ぎ」

2020年9月30日(水)17時00分
ベンジャミン・フィアナウ

国民投票で圧倒的多数が議員削減を支持 REMO CASILLI-REUTERS

<議員の報酬は月額約1万1773ドルでイギリスの国会議員の1.5倍以上>

イタリア国会議員の定数大幅削減の是非を問う国民投票が9月20~21日に行われ、70%の賛成を得て上下両院の議員数3分の1の削減が決定した。議席は下院が630から400に、上院は315から200に削減され、2023年の次回選挙から適用される。

議員定数の削減は中道左派の与党・民主党と連立を組むポピュリスト政党「五つ星運動」が推し進めた。支持者らは、イタリアの議員の報酬は高過ぎ、経費を使い過ぎ、仕事量は少な過ぎると主張する。議員報酬は月額約1万1773ドルでイギリスの国会議員の1.5倍以上に当たる。

ミラノのボッコーニ大学のカトリーヌ・デフリース教授(政治学)は「ポピュリズムは力を失っておらず、反体制的な機運は欧州社会でいまだ勢力を保っている」と言う。

定数削減で5年の議員任期中に5億8000万ドルの経費削減になるというが、反対派はわずかな財政的利益のために民主主義のシステムがむしばまれると主張している。

<2020年10月6日号掲載>

【関連記事】イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義
【関連記事】タトゥーで警察官が処分から見るイタリアのタトゥー事情

20201006issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月6日号(9月29日発売)は「感染症vs国家」特集。新型コロナに最も正しく対応した国は? 各国の成功例と失敗例に学ぶ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、8月大幅悪化 米関税合意に失

ワールド

中国、エヌビディアH20半導体の使用回避を国内企業

ワールド

ウクライナは将来決める自由持つべき、欧州が声明 米

ビジネス

市場は「過熱していない」、業績に上振れ余地=日経最
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 7
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 8
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 9
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中