最新記事

ロシア

毒を盛られて苦しむ反体制派ナワリヌイ......ロシア政府寄りニュースが動画を配信

Alexei Navalny 'Poisoning' Video Shows Anti-Putin Activist Crying Out in Pain

2020年8月21日(金)13時30分
デービッド・ブレナン

昨年6月にモスクワの抗議集会で警察に連行されるナワリヌイ Maxim Shemetov-REUTERS

<プーチンの強権体制に抵抗するロシアの反体制活動家が何らかの毒物を盛られて重体に――ナワリヌイ側は政府側の関与は明白と糾弾>

何らかの毒物を盛られたと報じられるロシアの反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイが、シベリアからモスクワに向かう飛行機の機内で苦しんでうめき声を上げる様子が配信されている。

ナワリヌイは過去にも、ウラジーミル・プーチン大統領の強権政治に抵抗する活動で、何度も攻撃を受けたり拘束されたりしていた。報道担当者キラ・ヤーミシュによるとナワリヌイは20日、乗っていた飛行機がシベリアの都市オムスクに緊急着陸した後、病院に収容された。

ヤーミシュは、今回の事件についてツイッターで詳細を報告しているが、44歳のナワリヌイは現在、意識不明の状態で、人工呼吸器を装着されている。また国営タス通信は、病院で治療にあたる医師の言葉を引用して、ナワリヌイが重体に陥っていると報じている。

空港で飲んだ紅茶に毒が?

ヤーミシュは、ナワリヌイがシベリアの都市トムスクの空港で搭乗する前に飲んだ紅茶に、毒物が入れられていたと見ている。「(20日の)午前中に飲んだのはその紅茶だけだった。医師は、熱い液体なので毒物が早く吸収されたと言っている」とツイッターで述べている。

飛行機内で撮影された動画は、ロシア政府寄りと言われるニュース媒体「Lifenews」から配信された。苦しんでうめき声を上げているらしいナワリヌイに、医療スタッフが駆け寄る場面が写っている。ネットではこの他にも、ナワリヌイを乗せた担架がオムスクの空港で飛行機から運び出され、待機していた救急車に乗せられる場面を撮影した動画も拡散されている。

ロシアのLifenewsが配信した機内のナワリヌイの動画


ツイートに投稿された救急車に運び込まれるナワリヌイの動画

<関連記事:ロシアがベラルーシに軍事介入するこれだけの理由

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:無人タクシー「災害時どうなる」、カリフォ

ワールド

中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 実弾射撃

ビジネス

中国製リチウム電池需要、来年初めに失速へ 乗用車協

ビジネス

加州高速鉄道計画、補助金なしで続行へ 政権への訴訟
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中