最新記事

台湾

どこにも行かない台湾の「なんちゃってフライト」、コロナで旅に飢えた応募者が殺到

2020年7月9日(木)16時30分
松丸さとみ

台湾の「海外に行ったつもりツアー」 Inside Edition-Youtube

<新型コロナウイルス感染症で旅行がしにくくなっているが、台湾では、「どこにも行かないフライト」への乗客を募集したところ、希望者が殺到した...>

3日間の「なんちゃってフライト」に7000人が応募

新型コロナウイルス感染症で旅ができなくなってしまった台湾で、「どこにも行かないフライト」への乗客を募集したところ、希望者が殺到した。第1弾となった2日、一切テイクオフしない飛行機に60人が乗り込み、旅行気分を味わった。

CNNによると、このイベントは「海外に行ったつもりツアー」と銘打たれ、台北松山空港で行われた。同空港は、台北国際空港とも呼ばれ、羽田や金浦などへの国際線も発着している。

台北松山空港は6月、Facebook上でツアーの参加者を募集。3日間(7月2日、4日、7日)で予定されたイベントには、7000人の応募が殺到したという。抽選で各日にちに60人ずつ、計180人が「どこにもいかないフライト」に搭乗できることになった。

台北松山空港のワン・チーチン副空港長は英テレグラフ紙に対し、「台北松山空港から国際線に乗ったことがない人は、ぜひこの機会を使って、搭乗手続きや関連サービス施設を体験して、いろいろと知ってほしい」と述べた。

セキュリティ・チェックや出国手続きなど本物さながら

初日となる2日、搭乗者は通常の海外旅行に行くときと同様に、セキュリティ・チェック、出国手続き、搭乗券のチェックなどを経て、台湾のフラッグ・キャリアである中華航空(チャイナ・エアライン)のエアバス機A330に乗り込んだ。

乗客が全員乗り込み終わった機体は残念ながら、テイクオフすることはなかった。とは言え、テレグラフによると、乗客は15分間、機内での時間を楽しんだという。またその間、フライトアテンダントからは、チャイナ・エアラインでは新型コロナウイルスに関してどのような感染防止策を取っているかなどの説明がなされた。

久しぶりに機内での時間を満喫したあと、降機した乗客は、空港内のレストランなどで食事を楽しめたほか、免税店で買い物もできたらしい。機内で過ごした時間を含めると、半日ほどを空港で過ごした。

CNNによると、台北松山空港は今年、開港70周年を迎える。昨年には、改装および拡張工事を実施した。ところが、新型コロナウイルスの流行を受けて、3月中旬以降はほとんどの国際線フライトが運航中止となっている。そのため今回のイベントは、新しい空港施設のお披露目という目的もあったようだ。

なお、同イベントの2回目と3回目は、エバー航空が担当する予定だという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「米国の和平案推し進める用意」、 欧

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中