最新記事

事件

米ミネアポリスで死亡した黒人男性の追悼式 遺族ら数百人参加

2020年6月5日(金)08時52分

米ミネソタ州ミネアポリスで4日、白人警官から暴行され死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式が開催され、数百人が参加した。写真は俳優のケビン・ハート(左)とラッパーのリュダクリス。6月4日、ミネアポリスで撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson)

米ミネソタ州ミネアポリスで4日、白人警官から暴行され死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式が開催され、数百人が参加した。この事件をきっかけに全米各地に広がった人種差別や格差への抗議デモは今も続いている。

追悼式会場は、ミネアポリスのノース・セントラル大学内の教会。フロイドさんの兄弟のフィロニーズさんは、家族が貧しくジョージさんとともに靴下や洋服を台所のシンクで洗濯し、乾燥機もないのでオーブンで乾かしたという思い出を披露した上で「この全員が私の兄弟に会うためにやってきた。彼がこれほど多くの人の心を動かすなんて驚いている」と語った。

フィロニーズさんは、ジョージさんの遺影バッジと、故人が警官に押さえつけられて発した「息ができない」という言葉を記した襟章を付けていた。

フロイド家の弁護士ベン・クランプ氏は、事件当日の警官の行動を強く非難。「われわれが動画で見た光景は邪悪だった。われわれはジョージ・フロイド氏を記憶にとどめるべきであるのと同じぐらいの重さで、米国はこの邪悪さを受け入れないことを宣言する。邪悪さに抗議しよう。拷問に手を貸すことなどできない」と訴えた。

4日にはニューヨークのブルックリンにある公園でも、数千人がジョージさんを追悼する集会が開かれ、警官の行動に抗議する意味から多くの人が日差しの照りつける午後の芝生にひざまずいた。

追悼式はノースカロライナとヒューストンなどを含め、6日間続く見通し。ジョージさんの葬儀は9日に行われる。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・トランプの着々と進む「戦争」準備、ワシントン一帯に兵を配備
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・【世論調査】アメリカ人の過半数が米軍による暴動鎮圧を支持
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ノルウェーSWF、イスラエル資産運用契約を解約 ガ

ワールド

トランプ氏、プーチン氏と「手探り」の会談へ 領土交

ワールド

ウクライナ大統領、印・サウジ首脳と電話会談 米ロ会

ワールド

再送-ウクライナ大統領、サウジ皇太子と電話会談 平
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中