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韓国、セウォル号沈没事故から6年 政争に阻まれ原因究明はいまだ道半ば

2020年5月9日(土)12時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

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2017年に珍島沖から引き揚げられたセウォル号は、木浦港に今もその姿をさらしている。 YTN New / YouTube

非常時に問われる透明性とリーダーシップ

筆者も月日は経ってしまったが、それでも未だにあの日の韓国を覚えている。沈みゆく船の中にたくさんの高校生たちがまだ閉じ込められていることを知って、国民全員が「なぜ今すぐ船に穴でも開けて助けられないのか?」と歯がゆい思いをしながら、テレビの画面を見守っていた。

そして今年、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの中で、韓国は素早い行動と画期的なアイデアで世界から注目を浴びることとなった。

4月16日、文大統領はSNSを通じて「今回のコロナでも国民たちは、"(セウォル号のときのように)誰一人として無駄に死なせない!"という気持ちをもって、自らマスクをつけて社会的距離を取って、自家隔離を守っている」とし、「コロナに対応する私たちの姿勢と対策にはセウォル号の教訓が込められている」と語った。

これでもかと徹底した情報公開をし続ける韓国政府の新型コロナ対策の姿勢は、セウォル号事故当時から今まで真実を隠そうとしてきた保守系勢力の対応とどうしても比較してしまう。何か非常事態が起こったときには、透明性とリーダーシップが強く求められる。それが一人でも多くの命を救えるかどうかに繋がっているのだと、今改めて感じている。

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