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感染症対策

米、2兆ドル超の新型コロナウイルス経済対策法成立 企業支援など盛る

2020年3月28日(土)08時08分

米議会下院は2兆2000億ドル規模の新型コロナウイルス関連経済対策法案を賛成多数で可決した。トランプ大統領の署名を経て成立する。新型コロナの感染拡大による景気の急激な落ち込みから個人や企業を守り、医療機関に必要な物資を供給する。写真は3月25日、ワシントンの米議会(2020年 ロイター/Tom Brenner)

米議会下院は27日、2兆2000億ドル規模の新型コロナウイルス関連経済対策法案の発声投票による採決を実施し、ほぼ全会一致で可決した。トランプ大統領が直ちに署名し、法案は成立した。新型コロナの感染拡大による景気の急激な落ち込みから個人や企業を守り、医療機関に必要な物資を供給する。

内訳は、5000億ドルが新型ウイルスの打撃を受けた業界の支援、2900億ドルが国内の数百万の世帯への直接給付(最大3000ドル)に充てられるほか、3500億ドルが零細企業への融資、2500億ドルが失業者支援の強化、少なくとも1000億ドルが病院や医療体制向けに使われる。

民主党のペロシ下院議長は「新型ウイルスの感染拡大は過去100年で最悪の事態となっており、米国は未曽有(みぞう)の経済、公衆衛生上の危機に直面している」と述べた。

米疾病対策センター(CDC)によると、26日夕時点で米国内の新型コロナ感染者数は8万5356人と、前日から1万6916人増加した。死者も252人増え、1246人となった。

米議会ではこれまでに少なくとも5人の議員が新型ウイルス検査で陽性を示しており、20人以上が感染拡大を防ぐために自主隔離を行っている。

上院は新型ウイルス関連経済対策法案を25日に全会一致で可決。現在は休会に入っており、4月20日に再開する。

*情報を追加しました。

[ロイター]


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