最新記事

イギリス

保守党圧勝でイギリスが移民排斥に舵を切る?

2019年12月27日(金)16時30分
シャンタル・ダシルバ

移民規制はヘイトクライムの増加に拍車をかけるかもしれない Mark Hawkins-Barcroft Media/GETTY IMAGES

<ジョンソンが目指すのは、イギリスへの移民の数を減らし単純労働者が永住するのを阻止すること>

12月12日にイギリス総選挙で圧勝したジョンソン首相は、移民排斥に向けて大きく舵を切るかもしれない。ジョンソンは選挙直前のインタビューで、「EUから大勢が押し掛け、イギリスを自国のように扱っている。国境に規制が全くないことが問題だ」と指摘。「移民を全力で食い止める」と宣言していた。

ジョンソンが提示した移民政策は、移民を「3つのカテゴリー」に分けるというもの。1つ目のカテゴリーは「並外れた能力」を持つ人々で、国内で働き口が決まっているか否かにかかわらず最優先で受け入れる。2つ目は特定技能を有する人々で、入国するには既に職が決まっている必要がある。3つ目は、労働力不足の分野で「単純労働」を担う人々。短期ビザを発給するが、定住することは認めない。

つまりジョンソンの目的は、移民の数を減らし、単純労働者が永住するのを阻止すること。EU離脱に向かうイギリスは、同時に移民に対して「壁」を築き始めるようだ。

<本誌2019年12月31日/2020年1月7日新年合併号掲載>

2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領、シリア暫定大統領に面会 前日に制裁

ビジネス

訂正(発表者側の訂正)-インタビュー:日本、アジア

ワールド

イスラエル、イエメンからのミサイル迎撃 フーシ派が

ビジネス

KDDI、発行済み株の4.47%・4000億円上限
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」にネット騒然
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 6
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    「奇妙すぎる」「何のため?」ミステリーサークルに…
  • 9
    トランプは勝ったつもりでいるが...米ウ鉱物資源協定…
  • 10
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 8
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中