最新記事

ウクライナ疑惑

米下院トランプ弾劾採決で造反した民主党議員3人の真意は?

2019年12月19日(木)18時45分

米下院本会議で18日に行われたトランプ大統領の弾劾訴追決議案の採決では、3人の民主党議員が、説得力に欠けるとして2つの弾劾条項の両方もしくは一方に反対票を投じた(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

米下院本会議で18日に行われたトランプ大統領の弾劾訴追決議案の採決では、3人の民主党議員が、説得力に欠けるとして2つの弾劾条項の両方もしくは一方に反対票を投じた。

18日の採決は、2016年大統領選でトランプ氏支持が優勢となった選挙区から選出された民主党下院議員31人にとって、政治的な試練となった。弾劾に賛成すれば、有権者の反発を受ける可能性があると共和党議員が警告していたためだ。

しかし、実際の造反は31人中3人にとどまった。

その1人であるミネソタ州のコリン・ピーターソン議員は前週末、トランプ氏は「犯罪を犯していない」との見方を示していた。同州の公共ラジオ局によると、同議員は、自身の選挙区の大半の有権者はトランプ氏が民主党の政敵に関する調査を求めてウクライナへの軍事支援を保留した疑惑を気にかけていないと述べた。

ニュージャージー州のジェフ・バン・ドリュー議員も弾劾に反対票を投じ、採決後に記者団に対し、民主党を離党するかどうか数日中に明らかにする考えを示した。また、弾劾訴追は20年大統領選でのトランプ氏再選の可能性を高めるだけだと述べた。

メーン州のジャレド・ゴールデン議員は、2つの弾劾条項のうち「権力乱用」に賛成、「議会妨害」に反対した。

一方、来年の大統領選の民主党候補者指名争いに名乗りを上げているハワイ州のトゥルシー・ギャバード下院議員は2つの弾劾条項について、賛成でも反対でもない「出席(present)」票を投じた。

同氏はこれについて、トランプ大統領による不正はあったと思うが、民主党のみが支持する動きに賛成したくなかったと説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G20首脳会議が開幕、米国抜きで首脳宣言採択 トラ

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中