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イタリア極右指導者の背後に、「あの男」バノンが

2019年5月25日(土)16時00分
シェーン・クロウチャー

過激な主張で支持を伸ばすサルビニ副首相 Bernadett Szabo-REUTERS

<欧州議会選で極右政党が躍進すれば、イタリア連立政権が崩壊し、政界が再び混乱に陥る可能性も>

反体制を掲げて18年の総選挙で勝利したポピュリスト政党「五つ星運動」と、急速に支持を伸ばす極右政党「同盟」が異色の連立を組むイタリア政界に不協和音が鳴り響いている。

欧州議会選が5月末に迫るなか、同盟を率いるサルビニ副首相兼内相は反移民、反イスラムの排外的な極右政策を強力にアピールして支持を拡大。欧州議会選で同盟を含む各国のナショナリスト政党が勝利しなければ、欧州はいずれイスラム国家になると訴えている。

こうした動きに五つ星のディマイオ党首が猛反発し、「極右の言動にはうんざりだ」と地元紙に発言。欧州議会選で同盟が躍進すれば、連立政権が崩壊し、イタリア政界が再び混乱に陥る可能性も取り沙汰されている。

だがソーシャルメディアを駆使して支持を広げるサルビニの勢いは止まりそうにない。躍進を支えるのは、トランプ政権の元首席戦略官スティーブ・バノンだ。彼は欧州を起点に世界のポピュリスト政党を束ねる団体ムーブメントを設立。選挙や戦略の指南を通じてサルビニを全面的に支援している。

<本誌2019年5月28日号掲載>

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