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極右

スペイン版トランプのポピュリスト旋風が吹く

2019年5月9日(木)16時40分
パブロ・パルド

ボックスのナショナリスト的姿勢は、トランプ的であると同時にスペイン独特でもある。国家の分断につながるとしてカタルーニャやバスクの分離独立派に対抗する一方、移民の受け入れやグローバル化に反対するときはスペイン伝統の保守的カトリック教徒の価値観を前面に打ち出す。

前者はスペイン独特の主張だが、後者はイスラム世界からキリスト教文明を守るという汎ヨーロッパ的な主張だ。

ボックスの影響は政界だけでなく社会にも浸透している。そして保守派の主流である国民党や保守派のコメンテーターは、結果として一段と右寄りの論調にシフトしている。

ボックスはスペインの保守主義をトランプ的な問題提起で引き継ごうとしている。今回の選挙の結果はその方向への重要な一歩と言えそうだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年5月14日号掲載>

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※5月14日号(5月8日発売)は「日本の皇室 世界の王室」特集。民主主義国の君主として伝統を守りつつ、時代の変化にも柔軟に対応する皇室と王室の新たな役割とは何か――。世界各国の王室を図解で解説し、カネ事情や在位期間のランキングも掲載。日本の皇室からイギリス、ブータン、オランダ、デンマーク王室の最新事情まで、21世紀の君主論を特集しました。


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