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自然豊かな観光大国ニュージーランドで水質汚染 「100%ピュア」は看板倒れか

2019年1月27日(日)12時12分

「牛が多すぎる」

グリーンピースが先週、人工窒素肥料の禁止を求めてツイッター上で展開したキャンペーン「#toomanycows(牛が多すぎる)」は、1万3000人以上の署名を集めた。

「NZでは、すでに牛があまりにも多すぎる。酪農の強化拡大にとって大きな鍵となるのは人工窒素肥料であり、それが河川と気候変動に対して危険なダブルパンチを浴びせている」とグリーンピースのニック・ヤング氏は語る。

この国では、約470万人の総人口を上回る500万頭近い牛が飼育されている。

北島西部にある有名なタラナキ山近郊にある人気の遊泳場は今月、排泄物による汚染の指標となる大腸菌増加により閉鎖された。汚染源を特定するための検査が行われているが、過去には、この水系を汚染した原因として、近隣の酪農場からの排水が指摘されていた。

国内の酪農家はやるべきことをやっている、とデイリーNZのティム・マックルCEOは語る。酪農場に接する水路の97%は牛から隔離されており、水辺や湿地との緩衝地域を確保するため、かなりの努力を払っているという。

「実際、あらゆる種類の土地利用が水質に影響を与えている。そして野菜、果実、酪農、牛や羊、あるいは鹿の畜養を含め、あらゆる農場が確実に水路を保護するために協力しなければならない」と同CEOは声明で述べた。「最も汚染された河川は、実は都市中心部を流れるものであり、これについては人々ができることがある」

NZの河川のうち、酪農場内を流れるものは全体の約15%にすぎない、と彼は付け加えた。

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