最新記事

キャッシャーフリー

「Amazon Go」対抗、キャッシャーフリーのウォルマートの実験店舗はここまでやる

2018年11月2日(金)15時20分
後藤文俊(アメリカ流通コンサルタント)

ダラスにオープンするサムズクラブ・ナウは約900坪(3.2万平方フィート)と通常のサムズクラブの4分の1のサイズで、レジがなくキャッシャーフリーとなる。

また商品のプライスカードに電子プライスカードを利用していることで省人化を図っているが、従業員は44人で、店内スタッフを「会員ホスト」と位置付け、カスタマーサービスを強化した戦略店としている。サムズクラブ・ナウの商品は精肉や青果などの生鮮品や冷凍食品、ビールやワインなど食品や飲み物が中心だ。

サムズクラブ・ナウの利用にも、専用アプリが必要だが、このアプリ機能はスキャン&ゴーのキャッシャーフリー機能にとどまらない。アプリにはビーコン技術を応用したマッピング機能も搭載され、アプリ上に店内マップを表示する。アプリに購入予定のリストを作っておけば、商品の場所と店内ルーティングを示したマッピングを表示する。また、アプリには音声入力も内蔵されていて「コーヒーはどこ?」と聞けば、店内のコーヒー売り場を示す。AR(拡張現実)を使った技術もアプリに盛り込まれる計画で、アプリのカメラで商品をかざすと動画などで立体的に商品情報を映すことも可能という。

なお店内には700台以上のカメラを設置していて、センサーやコンピュータービジョン、AI等を駆使した在庫管理も行う予定だ。

11月1日時点で6店舗を展開するアマゾンゴーは今年中にさらに4店舗を加える。来年末までには50店舗を目指しているという。キャッシャーフリーのサムズクラブ・ナウは現在のテスト期間を経て一気に多店舗展開する可能性もある。来年にはレジなし店舗の存在感がいよいよ増してきそうだ。

「サムズクラブ・ナウ」のコンセプト動画

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中