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日本語を母国語とする私たちが英語を習得するために必要な3つのトレーニング

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2018年11月6日(火)11時00分
文=西山亨 写真=平岩享

日本語と英語は言語としてあまりにも違いすぎる。だが適切な学習法さえ実践すれば習得することは可能だ iStock

どうして頑張って勉強しても英語を満足に扱えないのか

「グローバル化が進んでも、新しい技術が次々に生まれて私たちの生活が便利になっても、日本語を母国語にする私たちの英語力は、残念ながら大きく伸びておらず、国際的にみても低いレベルに留まっているといえるのではないでしょうか。皆さんの家族や友人、知人のなかで、どれだけの人が英語を不自由なく扱えるでしょうか。帰国子女を除けば、ほとんどの人が英語を満足に聞けず・話せないのではないかと思います」と話すのは、2018年春に英会話のトレーニング企業、English for Everyoneを起ち上げた是枝秀治氏だ。

同氏は2000年の三井物産入社以降、海外ビジネスでの必要性から、18年もの間、市場にあるありとあらゆる学習方法で英語の習得に取り組んできた。しかし、どうしても一定のレベルを超えられなかった。ネイティブ同士が話す英語を聞き取れず、割り込んで話しても通じないことも多かったという。TOEICでは満点の990点を、GMATではネイティブよりも高い得点をマーク。留学先のMIT(マサチューセッツ工科大学)ではMBAも取得した。これほどのキャリアを持つ人間でも英語を習得できないのはなぜなのか。

同氏はさらにこう続けた。「『英語を仕事で使っているのである程度は話せる』と言う人でも、実際にはカタカナっぽいほとんど日本語ともいえる英語で、相手によっては通じなかったり、聞き取れなかったりを繰り返しながら、何とか頑張っているというのが正直なところではないでしょうか。私自身もまさにそうでした」

日本語が母国語の私たちに必要な英語の習得方法とは

なぜ日本人の英語力は長らく努力をしても伸びてこなかったのか。本来、何をすれば英語力は伸びるのか。この問いに答えるには、まず日本語と英語の違いに着目しなければならない。数年間にわたって研究した是枝氏によると、英語と日本語の関係性において、次のポイントが重要という。

「日本語と英語は、言語としての違いがあまりにも大きいのです。言語間距離が遠いともいえます。具体的には、両者は文字、音、リズム、文法などどれを取っても似ているところがほとんどありません。一方、似ている言語間、例えばラテン語を起源とするヨーロッパ系の言語間であれば、片方の言語スキルでもう片方の言語を話しても通じるほどです」

極端な例ではスペイン語ができれば、イタリア語を知らなくても意思疎通ができてしまうという。しかし、類似点がほとんどない日本語と英語の間では、このようにはならない。日本語のスキルで英語を話しても通じず、聞こうとしても聞けないというわけだ。しかし、日本人はこの間違いを長年続けてしまっている。日本語で英語を話そうと頑張り続けているため、必然的に日本人の英語は通じないということが繰り返されてきた。

習得が必須のスキルは音、リズム、英語思考の3つ

「私たちがここから脱却するには、英語独自のスキルを習得するしかありません。特に違いが大きく、習得しなくてはならないのが音とリズム。音の中には子音や母音だけでなく、発声方法まで含みます。これらは多くの人たちが想像している以上に、英語と日本語では異なります。リズムも同様で、日本語はすべての音節を均一に同じ強さで話しますが、英語は"強勢"というものを中心に強弱を持たせて話します。音とリズムのいずれも、日本語のものでは代替できませんので、英語のものを新たに憶える必要があるのです。さらに、日本で日本語中心の生活をしていると、英語も日本語を翻訳して作ってしまう癖がついています。翻訳をせずに、頭の中にある考えを直接英語化するスキルを養う必要があります」

English for Everyone代表取締役社長 兼 CEOの是枝秀治氏

English for Everyone代表取締役社長 兼 CEOの是枝秀治氏。三井物産、ベイン・アンド・カンパニー、消費財企業の海外事業担当役員出身。日・英・西のトライリンガル。

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