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北朝鮮の邦人拘束事件は、日朝交渉を優位に進めるためなのか? 

2018年8月13日(月)19時30分
中野鷹

ガイドがいない状態での単独行動?

スパイ容疑で拘束されている中国人の例からすると、S氏はガイドがいない状態での単独行動をして、拘束にいたった状況も考えられる。

北朝鮮では外国人が宿泊するときには担当ガイドも同じホテルに宿泊する念の入れようだが、ホテル内では自由に行動できる。ホテルの入り口には出入りを監視するドアマンもいるが、深夜や早朝にはいない時間帯もある。

「案内人(ガイド)がいない状態で行動できるとしたら、ホテルから抜け出したくらいしか考えられません」(同上)

日本人が北朝鮮で長期拘束されたのは、99年に元新聞記者がスパイ行為を働いたとして2年間勾留された事例があるが、実は2000年以降、禁止試写体を撮影したなどの理由で1、2日軟禁されて、罰金1万ドルを請求された事例も存在する。これらはいずれも取材目的で訪朝したマスコミ関係者がほとんどだ。

今回の北朝鮮での邦人拘束は、観光目的で入国した日本人がスパイ容疑で拘束されるという初に近い事例となる。 

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