最新記事

貿易戦争

中国政府系英字紙、米国の貿易政策批判「トランプ政権は血に飢えている」

2018年6月20日(水)14時35分

6月20日、中国の政府系英字紙チャイナ・デーリーは論説記事で、トランプ米政権は貿易政策の問題になると「血に飢えて」おり、中国経済の「活力源を吸い取る」ことを望んでいると批判した。写真はカリフォルニアのロングビーチ港に到着した中国からのコンテナ船(2018年 ロイター/Bob Riha Jr)

中国の政府系英字紙チャイナ・デーリーは20日の論説記事で、トランプ米政権は貿易政策の問題になると「血に飢えて」おり、中国経済の「活力源を吸い取る」ことを望んでいると批判した。

トランプ大統領は18日、500億ドル規模の中国製品を対象とした米国の輸入関税に対し中国が報復措置を講じた場合、2000億ドル規模の中国製品に対し10%の関税を課すと警告した。これに対し中国も、「質的かつ量的な」措置で反撃すると応酬した。

チャイナ・デーリーは、中国が米国の製品・サービスの購入を大幅に拡大することで一致した5月の合意に反するとして米国を非難し、「米国が脅しを強める中、中国は狙いを定めた直接的な措置で反撃せざるを得ない」と指摘。「トランプ政権は中国経済の活力源を吸い取ることを望んでおり、中国のいかなる譲歩にも満足しないようだ」との見方を示した。

その上で「中国政府は、いっそう血に飢えるトランプ政権の犠牲にならないようにするため、中国に対する1つ1つの措置に大きな代償が伴うことを米政府に理解させる必要がある」と強調した。

また、共産党機関紙の人民日報はソーシャル・メディア・プラットフォーム「微信(ウィーチャット)」で、中国は貿易戦争に勝つ自信と能力があるとコメントした。

最も重要な理由の1つとして国民の結束を挙げ、「中国は誰もが共通の敵への反発で一致しており、政府の反撃を支持している」と主張。「米国は中国につけ込むだけでなく、中国経済を破壊することも望んでおり、中国はやむを得ない措置を強いられているということを、誰もが明確に理解している」と指摘した。

[北京 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、台湾への武器売却承認 ハイマースなど過去最大の

ビジネス

今回会合での日銀利上げの可能性、高いと考えている=

ワールド

中国、「ベネズエラへの一方的圧力に反対」 外相が電

ワールド

中国、海南島で自由貿易実験開始 中堅国並み1130
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中