最新記事

核・ミサイル開発

金正恩はプンゲリ核実験場を閉鎖できるか? 安全性、実効性に疑問符

2018年5月18日(金)08時17分


恒久的かつ不可逆的

核の専門家は、核実験場の閉鎖計画は、少なくとも6月に予定される米朝首脳会談を前にした歓迎すべき政治的ジェスチャーだと指摘する。

だが同時に、実験場閉鎖は、米国が求める核開発計画の「完全かつ検証可能で、不可逆的な解体」の最初の一歩とは必ずしもならない、と警告する。

米国務省は、実験場破壊を確認するオブザーバーや、国際監視員の現地入りを北朝鮮側に要求したかとの質問には明確に答えなかった。

「完全に査察可能で恒久的かつ不可逆的な実験場の閉鎖は、(北朝鮮の)非核化の鍵となる一歩だ。さらに詳細を把握したい」と同省広報担当者は述べた。

豊渓里からわずか100キロ地点で国境を接する中国は、閉鎖を監視、もしくは支援する可能性については何も表明していない。

「私の理解では、北朝鮮はそのような要請を中国に行っていない」と、中国外務省の報道官は15日述べた。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、虎の子の核兵器を完全に手放すことを疑う関係者は多いが、仮に金委員長が核計画を縮小したとしても、それには長い時間が必要になるとアナリストは指摘する。

「金正恩が、実験場閉鎖など反対を受けにくい行動に一方的に踏み切り、監視団なしに実施することを懸念している」と、ワシントンにある国際科学テクノロジー政策研究所のシャロン・スカッソーニ教授は語る。「そうなれば、北朝鮮が、普通ならば歓迎される行動を取る一方で、その検証ができないという複雑な事態に陥る」

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

Josh Smith and David Brunnstrom

[ソウル/ワシントン 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBウォラー理事、利下げ主張撤回 原油高でインフ

ワールド

イラン産原油制裁解除なら3─4日でアジアへの供給開

ワールド

イランに対話できる指導者残っていない=トランプ氏

ワールド

米、中東に追加部隊派遣へ 海兵隊員ら数千人=当局者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中