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米商務省、中国スマホ大手ZTEへの製品販売を7年間禁止 米中貿易摩擦は一段と悪化か

2018年4月17日(火)10時18分

4月16日、米商務省は、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)がイランや北朝鮮に対し違法に輸出していたとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表した(2018年 ロイター/Sergio Perez)

米商務省は16日、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)<0000063.SZ><0763.HK>がイランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していたとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表した。これにより、米企業はチップセットなどの対象製品をZTEに直接輸出することも、第三国を通じて輸出することも、直ちにできなくなる。

ZTEは米国でAT&TやTモバイルUSA、スプリントなど携帯電話大手にスマートフォンを供給する一方、クアルコムやマイクロソフト、インテルなど米企業の製品を採用している。ZTEの製品で使用される米企業の製品の割合は全体の25─30%と大きく、今回の措置は同社に深刻な打撃を与えるとみられる。

深センに拠点を置くZTEは昨年、米国による対イラン制裁措置などに違反し、米国製品や技術をイランに輸出していたことで有罪を認め、8億9000万ドルの罰金支払いや、さらなる違反があった場合に3億ドルの追徴金を支払うことで合意していた。

ロス商務長官は声明で、ZTEが同問題を巡り、米政府に繰り返し虚偽の報告を行っていたことを指摘した。

米政府としてこの問題に深く関与していたハーシュホーン元商務次官は「ZTEが問題を解決できない場合、廃業に追い込まれる可能性が高い。米国外の銀行や企業でさえ、多くがZTEとの取引を望まない」と指摘した。

商務省高官がロイターに語ったところでは、ZTEは昨年の合意で、幹部社員4人を解雇し、他の社員35人については賞与減額か懲戒処分とすることを約束していた。しかし、同社は今年3月、幹部4人を解雇したものの、他の35人については賞与減額も懲戒も行っていなかったことを認めた。

ZTE関係者はコメントの求めに応じていない。

商務省の命令書に引用されたZTEの書簡によると、同社は一部の懲戒措置を「完全には実行していなかった」としたほか、2017年の書簡に「誤り」があったことも認めた。

商務省の命令書は、ZTEは同社が米政府を欺く理由はないと主張したとしている。

商務省の決定を受け、ZTEに製品を供給する米企業の株価は軒並み下落した。

今回の決定により、米中の貿易摩擦が一段と悪化する可能性が高い。

[ロイター]


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Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

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