最新記事

スキャンダル

FBI、トランプ弁護士の関係先を捜索 不倫暴露したポルノ女優への口止め料巡り

2018年4月10日(火)10時23分

4月9日、米連邦捜査局(FBI)はトランプ大統領(写真)の顧問弁護士であるマイケル・コーエン氏の自宅や事務所など関係先を捜索し(2018年 ロイター/Carlos Barria)

米連邦捜査局(FBI)は9日、トランプ大統領の顧問弁護士であるマイケル・コーエン氏の自宅や事務所など関係先を捜索した。当局筋が明らかにした。

コーエン氏の代理人、スティーブン・ライアン氏は連邦検察当局の捜索について、モラー特別検察官の事務所からの照会に部分的に基づくとの説明を受けたと述べた。モラー氏は2016年米大統領選へのロシア介入疑惑およびロシアとトランプ陣営の共謀疑惑の捜査を率いている。

コーエン氏は、2016年の大統領選以前にトランプ氏と性的関係を持ったポルノ女優に支払われた口止め料の出所を巡る問題の中心人物。コーエン氏は口止め料13万ドルを自分の資金で払ったと説明している。一方、トランプ大統領は先週、大統領専用機内で記者団に対し、口止め料の支払いについて知らなかったと述べた。

トランプ大統領はコーエン氏に対する捜索について、「恥ずべき事態で、完全な魔女狩りだ」と強く批判。シリア問題に関する会合の冒頭で発言した。

モラー氏を解任する意向があるか問われると、「現在の状況は恥ずべきものだと思う。どうなるかはいずれ分かる」と述べるにとどめた。

コーエン氏はロイターのコメントの求めに応じていない。モラ―特別検察官の報道官はノーコメントとした。

ライアン氏は声明で、ニューヨーク州南部地区連邦検事局がコーエン氏が依頼人と交わした秘密情報を押収したと明かした。また、同検事局が示した捜索令状は「全く不適切で不必要」と批判した。

捜査に詳しい関係筋によると、連邦検察当局はコーエン氏が銀行や税金に関する詐欺を働いた疑惑や、ポルノ女優への口止め料に関して選挙法を違反した可能性のほか、恐らくは大統領選でのトランプ陣営への海外からの支援に関する事案について捜査を行っているという。

別の関係筋によると、当局はホワイトハウスの元広報部長のホープ・ヒックス氏とコーエン氏がやり取りした電子メールも押収。メールには、2016年6月9日にトランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と娘婿ジャレッド・クシュナー氏らがロシア政府とつながりがあるロシア人弁護士と面会した問題に関する情報も含まれるもよう。コーエン氏はヒックス氏の代理人ではないため、これらのメールは弁護士と依頼者間の秘匿特権の対象とならないという。

FBIの家宅捜索については米紙ニューヨーク・タイムズが第一報を伝えた。

[ワシントン 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バークシャー、手元資金が過去最高 12四半期連続で

ビジネス

米、高金利で住宅不況も FRBは利下げ加速を=財務

ワールド

OPECプラス有志国、1─3月に増産停止へ 供給過

ワールド

核爆発伴う実験、現時点で計画せず=米エネルギー長官
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中