最新記事

北朝鮮

金正恩が背負う金王朝の異常性

2018年1月15日(月)17時30分
トム・オコナー

「金正日は2人の息子を決して会わせなかった。正恩は正男に一度も会ったことすらない、とも言われている」とパーソンは本誌に語った。

「金正日が息子たちを隔離させたのは、複数いた夫人との関係を金日成から隠すためでもあった。金日成は金正日の女性関係に猛反対だった」とパーソンは言った。

李は、孤独な幼少期を過ごしたことが金正恩の人格形成に影響を及ぼしたようだ、とABCニュースに語った。最高指導者の座についた正恩は、ベテランのエリート幹部を次々に粛清し、父以上に残酷な独裁体制を敷いた。逆に国民に対しては、北朝鮮の指導者として初めて妻を公の場に同伴させ、下級役人にも頻繁に声をかけるなど、祖父や父よりオープンな顔を見せている。

金正恩のそうした特性すべてが、ドナルド・トランプ米大統領の気に食いらなかった。トランプは北朝鮮に対する軍事的な圧力を強化し、厳しい制裁を科して経済的にも追い詰めようとした。金とトランプは互いの国への核攻撃も辞さないと脅し合い、個人的にも侮辱を繰り返してきた。金は元日の「新年の辞」で韓国の平昌で来月開催される冬季五輪に選手団を送る意向を示し、2年ぶりに南北当局者会談も開催されて一気に緊張緩和に向けた期待が膨らんだが、その後は米韓合同軍事演習の中止を求めるなど再び強硬姿勢に転じ、相変わらず何を考えているのかわからないままだ。

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米12月求人件数、38.6万件減の654.2万件 

ワールド

米ロ・ウクライナ三者協議、交渉継続で合意 捕虜交換

ワールド

トランプ氏、高市首相を全面支持 3月19日にホワイ

ビジネス

ECBが金利据え置き、ドル安を静観 インフレ見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 10
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中