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スペインの車突入事件、容疑者「教会など大規模な爆破攻撃を計画」と証言

2017年8月23日(水)12時03分

8月22日、スペイン・バルセロナの歩道に車が突っ込み、通行人ら13人が死亡した事件の犯行グループが、大規模な爆破攻撃を計画していたことが容疑者の証言で分かった。写真は事件現場に灯されたキャンドル。バルセロナで19日撮影(2017年 ロイター/Susana Vera)

スペイン・バルセロナの歩道に車が突っ込み、通行人ら13人が死亡した事件の犯行グループが、大規模な爆破攻撃を計画していたことが容疑者の証言で分かった。

事件に関連して警察に拘束された容疑者4人は22日、マドリードの裁判所に出廷。関係者によると、このうちの1人で、バルセロナの事件前にグループの爆発物の製造拠点で拘束されたモハメド・フーリ・チェムラル容疑者(21)は、犯行グループが爆発物を使った大規模な攻撃を計画していたと証言。標的は特定されていなかったとしつつも、教会などへの攻撃に言及したという。

チェムラル容疑者によると、犯行グループを率いていたのはイスラム教指導者のアブデルバキ・エス・サティ容疑者で、メンバーは主に若いモロッコ人だった。同容疑者は「殉教は善」と説いていたという。

警察は、エス・サティ容疑者は爆発物製造拠点の爆発で死亡したとみている。

法廷ではチェムラル容疑者が犯行計画への関与を認め、他の3人は関与を否定した。

証言の終了後、判事はチェムラル容疑者を含む容疑者2人の再拘留を命令。1人は捜査継続を理由に警察による拘束の継続を命じられ、残る1人は条件付きで釈放された。

スペイン警察はすでに、バルセロナの事件で車両を運転していたとされるユネス・アブヤクブ容疑者を射殺している。

過激派組織「イスラム国」(IS)は、バルセロナの事件とその翌日にリゾート地カンブリスで起きた車突入事件について犯行声明を出している。

マドリードの裁判所の文書によると、爆発があったアルカナルの犯行グループの拠点からは、エス・サティ容疑者の名義で発行されたブリュッセル行きの航空券が複数枚見つかった。

ベルギーではイスラム過激派の活動が活発で、犯行グループとの関連性が疑われている。

[マドリード 22日 ロイター]


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