最新記事

テロ

イギリス自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査 リビアで父や弟拘束

2017年5月25日(木)16時13分


兵士が街角警戒

マンチェスターで死亡した22人には、8歳の少女や、複数の10代の少女たち、28歳の男性と、娘たちを迎えにきたポーランド人夫婦が含まれる。

英国は23日夜、テロ攻撃の警戒水準を最高レベルに引き上げた。これは、次なる攻撃が近く行われる可能性を意味する。

だが、英国は6月8日に総選挙を控えており、メイ首相率いる保守党と野党は、週内にも選挙運動を再開することにしている。

マンチェスターでの自爆攻撃は、ロンドンで地下鉄やバスが爆破され、52人が死亡した2005年の攻撃以降、英国で発生した最悪の武力攻撃となった。

ラッド内相は、警察が捜査やパトロールに集中できるよう、最大3800人の兵士を市街地に動員し、通常は警察が行う警備活動を代行させる可能性を指摘。第1段階として、ロンドンなどで兵士984人に動員指示が出た。英国議会や首相官邸、ロンドン警察本部などで、兵士が警備にあたっている。

バッキンガム宮殿では、観光客に人気の衛兵交代の式典がキャンセルされた。警戒レベルが最高に引き上げられたことを受け、式典に動員される警察官を、別の捜査に配置するべきとの判断だという。

捜査に詳しい関係筋はロイターに対し、爆弾の製造についてアベディ容疑者に協力者がいたかどうか、いつどこで爆弾が作られたかに着目していると述べた。NYTが掲載した写真によると、爆弾には金属片や強力な起爆装置が組み込まれてたとみられる。

英国放送協会(BBC)によれば、アベディ容疑者が単独で作ったと考えるには、爆弾の構造が複雑すぎると治安当局はみているという。

英警察は24日、南マンチェスターで男3人、北マンチェスターで女1人、そして近郊の町ウィガンと、英中部の町ヌーニートンでそれぞれ男を1人ずつ拘束した。

ツアーを中止

米歌手アリアナ・グランデさんは24日、状況を把握し、「亡くなった方々を敬うため」、ツアーの一時中断を決めた。グランデさんは今週、ロンドンでのコンサートを2回予定していた。

サッカーのイングランド・プレミアリーグ覇者のチェルシーは、事件を受けて、28日にロンドンで予定していた優勝パレードを中止した。

マンチェスターの警察当局は、死者22人の身元を特定し、家族に連絡を取ったとしている。司法解剖に4、5日かかるとみられており、その後、被害者の名前を公表するという。自爆攻撃により、64人が負傷し、うち20人が重傷を負った。

[マンチェスター 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ECB、政策調整でためらいや先回りはせず=レーン専

ワールド

ロシア、経済スパイ理由に外交官追放 英外務省反発

ワールド

高市首相、赤沢氏を重要物資安定確保担当相に任命 対

ワールド

スペイン、米軍機の領空通過を拒否 対イラン攻撃で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカートニー」を再評価する傑作映画『マン・オン・ザ・ラン』
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中