最新記事

テロ

イギリス自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査 リビアで父や弟拘束

2017年5月25日(木)16時13分

5月24日、22日に英マンチェスターのコンサート会場で発生した自爆攻撃について、警察は24日、実行犯のサルマン・アベディ容疑者(22)の父や弟を含む数人の容疑者を拘束した。写真は24日、ロンドンで英議会などを警備する英軍兵士と警察官(2017年 ロイター/Neil Hall)

22日に英マンチェスターのコンサート会場で発生した自爆攻撃について、警察は実行犯のサルマン・アベディ容疑者(22)の協力者やネットワークの洗い出しに全力を挙げており、24日には英国内やリビアで容疑者の父や弟を含む数人の容疑者を拘束した。

英治安当局は、新たな攻撃に見舞われる可能性があるとして警戒を高める一方で、捜査情報の詳細が米国メディアにリークされたことに対して怒りをあらわにしている。

以前から治安当局にその存在が知られていたという、英国生まれのアベディ容疑者は22日夜、米人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサートが行われていたマンチェスター・アリーナで自爆攻撃を実行し、死亡。多くの子供や未成年者が来場していたコンサートの終了直後を狙ったこの犯行によって、22人が犠牲となった。

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙が公開した写真によると、使用された爆弾は複雑な構造で強力な殺傷能力があったことを示している。当局は容疑者が何者かの助けを借りて爆弾を作ったとみており、共謀者がさらなる攻撃を実行することを懸念している。

マンチェスター警察は24日、男5人と女1人の身柄を新たに拘束し、英国での拘束者はこれで7人となった。女はその後、嫌疑なしで釈放された。また英国北部と中部で数カ所の家宅捜索を行った。英インディペンデント紙は治安当局者の話として、捜索先の1つで爆発物が見つかったと報じた。

関係者によると、英捜査当局は、爆弾製造の協力者を捜索している。

「捜査対象は(アベディ容疑者個人ではなく)明らかにネットワークだ」と、マンチェスターの警察幹部は記者団に語った。「捜査は急速に進められており、いまこの最中にも、マンチェスターとその近郊で重点的な捜査活動が行われている」

アベディ容疑者は、1994年にマンチェスターで生まれ、リビア人の両親の下で育った。

リビア首都トリポリでは、地元警察が24日、アベディ容疑者の弟と父親の身柄を拘束した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米ウクライナ、鉱物協力基金に合計1.5億ドル拠出へ

ワールド

中韓外相が北京で会談、王毅氏「共同で保護主義に反対

ビジネス

カナダ中銀、利下げ再開 リスク増大なら追加緩和の用

ワールド

イスラエル軍、ガザ市住民の避難に新ルート開設 48
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中