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中国の国境都市に見る「一帯一路」構想のアキレス腱

2017年5月13日(土)10時22分

とはいえロシアは、中国北東部と国境を接する過疎地への誘致に苦労している。もし多くの土地を中国人に貸した場合、植民地化が始まるのではないかという懸念をロシア人は抱いているという。

「彼ら(中国人)が居住するようになれば、そのうち親戚も来る。ここにルーツを持つようになるだろう。ロシアの女性も妻にする」と、ロシアの国家主義政治家ウラジーミル・ジリノフスキー氏は2015年、中国人農家にロシアの土地を貸与する提案が出されたとき、このように発言した。

「問題しか起きない。利益などない」と同氏は述べた。

琿春市にとって、「一帯一路」構想は、同市のある吉林省と中国北東部の活性化を目指した一連の開発計画において最も新しいプロジェクトである。

1990年代、国連開発計画(UNDP)は図們江地域開発計画を支援。これは、中国、モンゴル、韓国、ロシアが加盟する広域図們江開発計画(GTI)に発展した。

大規模な国家投資プロジェクトに関与する恩恵は明白だ。経済成長に関する吉林省内の都市ランキングで、かつて25位だった琿春市は現在3位に浮上。同市の統計によると、2011年以降、対外貿易は倍増している。

一方、長期的に「一帯一路」構想が付加価値をもたらすかどうかは不明だと、豪シンクタンク、ローウィ研究所へのリポートでピーター・カイ氏は記している。

「中国政府が国内プロジェクトと海外的要素をうまく結びつけることに失敗するなら、『一帯一路』は他の国内インフラ計画とほとんど変わらず、同構想の経済的・戦略的価値は大いに損なわれるだろう」

(Sue-Lin Wong記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[琿春(中国) 10日 ロイター]


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