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日米関係

安倍=トランプ会談、友好ムードの裏で為替批判回避へ「神経戦」

2017年2月9日(木)18時33分

2月9日、安倍晋三首相は10日の日米首脳会談で、経済協議に関し、金融・財政・構造改革の「三本の矢」を軸に、広く意見交換する意向だ。トランプ米大統領が批判した為替政策への深入りは避けたい考え。写真は都内で2015年10月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

安倍晋三首相は10日の日米首脳会談で、経済協議に関し、金融・財政・構造改革の「三本の矢」を軸に、広く意見交換する意向だ。トランプ米大統領が批判した為替政策への深入りは避けたい考え。

ただ、貿易ルールなどを扱う閣僚級の新たな協議体を設置する案を含め、日本からの提案に対する米側の出方に不透明感が残り、日米両政府の神経戦は予断を許さない。

「為替は政治イシュー(論点)にすることでない」──。安倍首相は、2日の衆院予算委でこう述べた。

発言の背景には、トランプ大統領との首脳会談で為替の問題に踏み込めば、かえって市場の混乱を招きかねないとの懸念がある。

安倍政権は、円安に伴う企業収益の改善などで、国の税収を民主党政権時の2012年度から21兆円増やした。

トランプ氏の円安批判に対し、複数の政府・日銀関係者は「市場が動揺し、企業や家計に弱気のマインドが浸透すれば、景気回復の流れに悪影響がおよぶ」と、不安をあらわにする。

今回の首脳会談について、菅義偉官房長官は9日の記者会見で「両首脳間で信頼関係を築き、日米同盟のきずなをさらに強固にしたい」との考えをあらためて示した。

政府関係者によると、経済分野での協議は、20カ国・地域(G20)の合意を踏まえ「金融政策、財政政策、構造改革を総動員する」ことの重要性を共有するとともに、BEPS(税源浸食と利益移転)に関する租税回避問題も取り上げ、広範なやり取りを促す方向だ。

「日本が2011年11月以降、為替介入に踏み切っていない事実関係を説明することはあっても、為替水準や動向についての具体的な言及は避けたい」と、先の関係者は指摘する。

トランプ大統領が「通貨供給量で有利な立場をとっている」と、あらためて日銀の金融政策に矛先を向けた場合は「円安誘導でない」との立場を明確にする構えだ。

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