最新記事

フィリピン

フィリピン、ドゥテルテ大統領が仕掛ける麻薬戦争「殺害リスト」に高まる懸念

2016年10月16日(日)18時36分

<食い違う主張>

妻のザンディさん(38)は、それは事実ではないと言う。「夫はすでに自首していた。それなのに、どうして彼を殺したのだろう。なぜもう一度チャンスを与えなかったのだろう」と彼女は問いかける。

セレスティーノさんの棺の周囲に座った親族たちは、他の一族とのあいだで長年にわたる確執があり、彼らがセレスティーノさんは麻薬の密売人であると警察に告発したのだろうとロイターに語った。ロイターでは、この主張を独自に確認することができなかった。

マニラ東警察区のRomulo Sapitula警視正によれば、確かにリスト上ではセレスティーノさんが麻薬密売人と記載されていたという。「情報の出所は地元の地域社会だ」と彼は言う。「バランガイの職員から提供された情報を、警察が検証している」

同警視正は、発見されたというドラッグはセレスティーノさんの遺体に故意に仕組まれたものだという家族の主張を一蹴した。内部調査では、セレスティーノさんが「射撃することを選んだ」ために、警察は正当防衛として撃ったという結論になったという。

Sapitula警視正は、家族は恐れることなく、正式に苦情を提出するべきだ語る。ただし、「彼らが潔白であり」犯罪活動に手を染めていない場合に限られる、と付け加えた。

セレスティーノさんの親族はロイターに対し、身内を殺したのと同じ人間に苦情を申し立てても意味はない、と語った。妻ザンディさんは、子どもの身の安全だけでなく、大家族の他のメンバーで、夫同様にすでに当局に「自首」している者にまで累が及ぶのではないかと心配している。

ザンディさんによれば、19歳になる息子のセドリックさんは、父親を殺されたトラウマで話すことができなくなったという。

(翻訳:エァクレーレン)



Andrew R.C. Marshall and John Chalmers
[マニラ 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタン首相、トランプ氏にイラン期限2週延長を要

ワールド

イランのハッカー攻撃激化、米当局が警告 重要インフ

ビジネス

イラン戦争が物価押し上げの恐れ、インフレ期待への影

ワールド

国連安保理、ホルムズ通航決議案を否決 中ロが拒否権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 9
    「人間の本性」を見た裁判官が語った、自らの「毒親…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中