国連安保理、ホルムズ通航決議案を否決 中ロが拒否権行使
写真はウォルツ米国連大使。ニューヨークの国連本部で7日撮影。REUTERS/Jeenah Moon
David Brunnstrom
[7日 ロイター] - 国連安全保障理事会は7日、イランが事実上封鎖する原油輸送の要衝ホルムズ海峡での商業船舶の保護に各国が連携して取り組むことを促す決議案の採決を行ったが、中国とロシアが拒否権を行使し、否決された。
ホルムズ海峡の安全確保に武力行使を容認する文言が削除されるなど、内容が大幅に弱められたにもかかわらず否決されたことを受け、 米国の国連大使は「責任ある国々」に対し海峡の安全確保に向けた米国の取り組みに賛同するよう呼びかけた。
決議案は安保理の議長国バーレーンが提出。15カ国で構成される安保理での採決は賛成11、反対2(中国、ロシア)、棄権2。バーレーンのザイヤーニ外相は、「安保理常任理事国による拒否権発動を受け、決議案は採択されなかった」と述べた。
中国とロシアは、決議案はイランに不利な内容だと非難。 中国の傅聡・ 国連大使は、米国がイランという文明の存続を脅かしている状況下で、こうした決議案を採択することは誤ったメッセージを送ることになると述べた。ロシアのネベンジャ国連大使は、ロシアと中国が海上安全保障を含む中東情勢に関する代替決議案を提案する考えを明らかにした。
イランのイラバニ国連大使は、「国連安保理が侵略を正当化するために利用されることが阻止された」とし、中国とロシアの対応に賛同を示した。イラバニ大使によると、国連事務総長の個人特使が現在、協議を行うためイランに向かっている。
米国のウォルツ国連大使は、中国とロシアによる拒否権行使を非難。「イランは事実上、世界経済を人質に取っている。ロシアと中国はそれを容認し、自国民を弾圧し、湾岸諸国を威圧して屈服させようとする(イラン)政権の側に立った」と指摘。イランにはホルムズ海峡を再開し、過ちを正す選択肢があるとした上で、「責任ある国々に対し、ホルムズ海峡の安全確保に向けたわれわれの取り組みに加わるよう呼びかける。合法的な商取引や人道支援物資の自由な移動を確保するために、海峡を守る必要がある」と述べた。
バーレーンが提出した決議案には当初は武力行使を認める文言があったが、中国の反対を受けて削除されたほか、法的拘束力を伴う執行措置への明確な言及も盛り込まれなかった。
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