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自動運転車普及のカギは運転しないドライバーへの「暇つぶしコンテンツ」

2016年10月15日(土)09時55分
ライアン・マシュー・ピアソン (c) ReadWrite[日本版]編集部

ロールスロイスが発表した自動運転車のコンセプトデザイン (c) ReadWrite[日本版]編集部

 アメリカ自動車協会(AAA)が最近おこなったアンケートの結果、ドライバーの75%が「人が運転する車よりも自動運転車の方が安全でない」と、完全な自動運転への移行に二の足を踏んでいることがわかった。

 先日、カリフォルニア州においてハンドル無し自動運転車の試行走行が可能になったところだが、これは自動運転車メーカーにとって越えるべき大きな壁となるだろう。

 たとえメーカーがリサーチやテストに何十億ドル費やそうとも、ドライバーの3/4がその安全性を信頼していないという事実がある以上、普及が進むことは難しい。

 Intelの交通ソリューション部 GMのエリオット・ガルベス氏は、モビリティ専門家を会員とする米国の非営利的団体「SAE International」が主催したイベントでその問題解決のための考えを示した。

「我々がすべきことは、車と乗客との信頼関係の構築だ。車が見たり聞いたり考えているものを乗客も同じように把握できることは、すなわち信頼の可視化である」と、ガルベス氏は言う。

 今後、コンソール部分(運転席周り)に車の検知した情報がこれまでよりもずっと多く表示されるようになることで、車が取るアクションの根拠がわかるようになれば、乗客もその自動化されたシステムの優秀さに目を向けるようになる。ガルベス氏は、自動運転車で行われている操作について、乗客により多くの情報を伝えることが車にハンドルを委ねる心理的ハードルを下げることにつながるという。

 そのほかにも乗客の心理的ハードルを下げるツールの1つが、「車内エンターテインメント」の改善だ。航空会社はすでにこれに関して取り組みを進めており、たとえば機内で映画やテレビを上映している。

 これはつまり、飛行中の揺れや居心地の悪さをいい意味でごまかしているわけであり、自動運転車が一般に受け入れられるための鍵の一つになりうるだろう。

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