最新記事

中国

改めて今、福原愛が中国人に愛されている理由を分析する

2016年8月31日(水)17時14分
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)

<リオ五輪は日本人にとって、福原愛がどれだけ中国人に愛されているかを認識する機会になったのではないだろうか。台湾人選手との恋愛も報じられているが、そもそもなぜ愛ちゃんはこれほど人気があるのか。2008年の「大魔王との戦い」など、いくつかのエピソードを振り返りながら人気の理由に迫りたい>

 リオデジャネイロ五輪が閉幕した。日本選手団は予想を上回るメダルラッシュとなり、次々とニュースターが誕生した。しかし、その中でも特に国民の注目を集めたのが福原愛ではないだろうか。個人では3位決定戦で惜しくも敗れて4位に終わったが、団体では初めてキャプテンとしてチームを率いて銅メダルを獲得している。

 泣き虫愛ちゃん、若きホープではなく、チームの大黒柱として重圧を担いつつも闘う姿はたくましかった。愛ちゃんはSNSに次のような書き込みを残している。


私の五輪が終わった。
五輪は4回目だけど、今回が一番辛い大会となった。
お腹も空かないけど何を食べても食べた気がしない、そんな毎日。
勝利だけが自分を満足させてくれる。練習の時だけ安らぎが得られる。
長いといえば長いし、短いといえば短かった。そんな4年がまた過ぎた。
初めてのキャプテンはすごいプレッシャーで、泣いたり笑ったりの日々だった。
でもそのすべてが私を成長させてくれたと信じている。
ありがとう。私がどういう状況であれ、ずっと応援してくれた皆さんに感謝を。
私のメダルはみなさんのメダルです。
私のメダルの中にはみなさんの愛が詰まっています。
(銅メダルですが)私にとっては金メダルです。こう言ってもいいんじゃないかな。

 女子団体3位決定の翌日、8月17日の書き込みだ。

「あれ? 愛ちゃんのニュースはかなり追いかけていたけど、この書き込みは見たことない」と驚かれた方もいるかもしれない。それもそのはず、実は中国のSNS「微博」で発表されたメッセージだからだ。もちろん原文は中国語だ。

 福原は微博アカウントを今年6月10日に開設したばかりだが、今や大変な人気。フォロワー数は224万人(2016年8月30日現在)を突破した。上記のような率直なメッセージもあれば、アイドル風(?)自撮り写真あり(下記の1枚目)、さらには中国人コーチと食べに言った東京の中国東北料理に大興奮しているコミカルな書き込み(下記の2枚目)まで、定期的に書き込みを続けている。

【参考記事】中国SNSのサクラはほぼ政府職員だった、その数4.8億件

takaguchi160831-2.jpg

takaguchi160831-3.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、中国首相と会話の機会なし G20サミット

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中