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トヨタがミシガン大学と連携、AIプロジェクトに今後4年で22億円を投資

2016年8月26日(金)18時36分


4年後の東京オリンピックまでにトヨタは自動車のAI化をどこまで進められるか?

 

トヨタの第三の自動運転研究キャンパス

 ミシガン州アナーバーに新しくできた施設は、トヨタのアメリカにおける3つめの拠点である。パロ・アルト、カリフォルニア州とケンブリッジ、マサチューセッツ州に続いてできたもので、これらの拠点は、MIT、スタンフォード大学といった具合にすべて地元の大学との連携されたものである。

 トヨタは言うまでもなく、事業を過度に動かすことなく自動運転技術を向上させる方法として、上記のようなアメリカの大学との連携を行っている。GM(General Motors)などの他企業も、トヨタのような事業プランを推進している。

 日本の自動車メーカーは、こういった研究センターへ投資をしているにもかかわらず、まだ自動運転車市場で大きく動くことをためらっているようだ。ちなみに、2014年にはそもそも自動運転車に興味ないと言っていたトヨタだが、今となっては、高級ブランドであるレクサスでその技術を公開するなど、大学での研究に一層力を入れ始めたと言われている。

 これはコスト削減と国民の詮索を避けるための「スマート戦略」かもしれない。GMが自動運転技術ベンチャー企業のCruise Automationを10億ドルで買収したり、TeslaがAutoPilotへ多額の資金を投入していたりするものの、トヨタの築いた拠点は彼らの市場価値を数年であれば保つことができるだろう。

 結局のところ、最後にゴールテープを切る者が勝者であり、日本のおとぎ話にあるように「カメがウサギに勝つ」こともあり得る。日本の場合、2020年に東京オリンピックを控えていることが吉と出るか凶と出るか、が気になるところだ。

 

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