最新記事

南スーダン

戦闘激化の南スーダンへ自衛機3機を派遣、邦人退避を準備

2016年7月12日(火)10時10分

 7月11日、中谷元防衛相(写真)は、南スーダンからの日本人の退避に備え、自衛隊の輸送機3機を隣国ジブチへ派遣することを命じた。事態が緊迫する中、日本人も約70人が首都ジュバから動けない状態が続いている。6月防衛省で撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

中谷元防衛相は11日夕、南スーダンからの日本人の退避に備え、自衛隊の輸送機3機を隣国ジブチへ派遣することを命じた。現地では大統領派と反大統領派の戦闘が激化。各国が自国民の退避を準備するなど事態が緊迫する中、日本人も約70人が首都ジュバから動けない状態が続いている。

1機目の輸送機は愛知県の小牧基地をすでに離陸。給油のため自衛隊の那覇基地など数カ所を経由してジブチまで飛行する。14日にも到着する見通し。残りの輸送機も、準備が整い次第出発する。

中谷防衛相は記者団に対し、「迅速な安全な退避のため、他国軍による輸送も含め、あらゆる可能性を追求する。(実際の輸送は)情報をしっかり把握し、現地の状況をみて判断したい」と語った。

現地にいる日本人は、国際協力機構(JICA)の関係者47人を含め約70人。ジュバのホテルなどから身動きが取れない状態で、国連平和維持活動(PKO)のために駐留中の自衛隊部隊が空港まで車両で輸送することも検討している。

自衛隊のPKO部隊も、情勢が悪化した7日以降は宿営地にとどまっている。

自衛隊の輸送機で実際に日本人を退避させれば2例目となる。前回は2004年4月、イラクからクウェートまで報道陣を運んだ。

(久保信博)



[東京 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7財務相、ロシアへの圧力強める姿勢を共有=加藤財

ビジネス

米ADP民間雇用、9月ー3.2万人で予想に反し減少

ビジネス

ステーブルコイン、決済手段となるには当局の監督必要

ワールド

ガザ支援船団、イスラエル封鎖海域付近で船籍不明船が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    なぜ腕には脂肪がつきやすい? 専門家が教える、引…
  • 5
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 6
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 7
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 10
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中