最新記事

コンプライアンス

韓国検察がロッテグループ関係先を強制捜索、経営権めぐり新たな火種に

2016年6月11日(土)16時01分

6月10日、韓国ロッテグループの広報担当者は、ロイターに対し、検察当局が本部など数カ所を捜索したと明らかにした。写真は記者に囲まれる韓国ロッテグループの会長、重光昭夫(韓国名・辛東彬)氏(2016年 ロイター/Kim-Hong Ji)

 韓国ロッテグループの広報担当者は10日、ロイターに対し、検察当局が本部など数カ所を捜索したと明らかにした。新規株式公開(IPO)を計画しているホテルロッテは7日、IPOの規模を当初計画から縮小し、上場日程を延期。

 同社取締役への汚職捜査が経営に影響する可能性がある、と指摘していた。

 ホテルロッテの広報担当によると、同社でも捜索が行われたという。一連の捜索で同社のIPOにさらなる暗雲が立ち込めている。

 聯合ニュースは、ソウル検察当局の情報として、当局者約200人が17カ所を捜索していると伝えた。報道によると、捜索対象には本部や関連会社7社のほか、ロッテグループ創業者の次男で韓国ロッテグループの会長、重光昭夫(韓国名・辛東彬)氏などの幹部の自宅も含まれている。

 検察当局はコメントを拒否した。

 複数の関係者がロイターに語ったところでは、今回の捜索は不正資金疑惑に関する捜査の一環で行われたもよう。ある関係者は、検察はロッテの関連会社間の資産取引に関連して背任があった可能性も調べていると語った。

 ロッテグループは、捜索が不正資金疑惑に関連したものかどうかについて、コメントを拒否した。

 IPO計画に携わる人物によると、銀行関係者はさらなる情報を待っている状況だという。

 検察による家宅捜索を受けて、現経営陣と対立している重光宏之・元ロッテホールディングス副会長(光潤社社長)は「ロッテグループの社会的信用や企業価値が毀損される極めて深刻な事態。現経営陣体制の重大な問題点が新たに顕在化した」とのコメントを発表した。

 コメントでは、今月中にも開かれるロッテHDの定時株主総会に先立ち、HDと第2位株主の従業員持株会理事会に対して、経営正常化のための緊急協議の場を設けるように求めている。

[ソウル/東京 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱UFJ、米オープンAIと戦略的連携 グループの

ワールド

ケネディ元米大統領の孫、下院選出馬へ=米紙

ビジネス

GM、部品メーカーに供給網の「脱中国」働きかけ 生

ビジネス

日経平均は反発、景気敏感株がしっかり TOPIX最
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中