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アメリカでのISIS関連事件、主流は「一匹狼」よりチームタイプ

2016年6月17日(金)19時21分

 20歳の若者2人は、友人たちによる「小さな軍隊」を作ろうと決意し、21歳の学生サミュエル・トパーズとサレーの友人である16歳のイムラン・ラバニなど、さらに4人の仲間を集めたという。

 捜査官によれば、彼らは数カ月かけて、シリアでISに合流するか、米国内で爆弾攻撃を行うかを議論したという。

 当局がこのグループに気づいたのは、トパーズの母親が息子の行動への心配を募らせた末に、2015年初頭、FBIに通報したことがきっかけだった。

 ドミニカ共和国出身でカトリック教徒の母親と、イスラエル出身でユダヤ教徒の父親に育てられたトパーズは、大学を除籍になっており、自由な時間のほとんどを、2人の同級生、ネイダーとその兄アラーと共に過ごすようになっていた。

 裁判記録によれば、トパーズはイスラム教に改宗し、海外渡航を口にするようになったと彼の母親はFBIに供述。母親は、サアデ兄弟がトパーズの不安感に「つけ込み」、彼を巻き込んだと述べている。

 10月にISに対する物質的な支援の提供を共謀した罪を認めたアラー・サアデ被告は、この5月に懲役15年の判決を受けた。弟のネイダー、トパーズ、ラバニも罪状を認めており、判決を待っている。

 ニューヨークで手製の爆弾によるテロを計画していたとされるサレーは、2015年6月に逮捕された。彼はラバニと共に、2人を尾行していた法執行機関の調査車両を攻撃した。サレーともう1人の被告ファリード・ムムニは罪状を否認している。

 判決の際、アラー・サアデは裁判官に対し、強制送還による両親不在のなか、弟への愛情ゆえに行動していた面があると話した。「自分が弟を救えたかもしれない。もっとできることがあったはずだ」

(翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]


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