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ドイツ、難民施設襲撃など右翼過激派による犯罪が急増

昨年は極右による政治的動機付けを持つ犯罪が35%増、2万3000件に達した

2016年5月25日(水)18時33分

5月23日、ドイツのデメジエール内相(写真)は、難民施設に対する攻撃が前年比5倍超に増えるなど、昨年の右翼過激派による犯罪件数が過去最高に上ったことを明らかにした。写真は2月撮影(2016年 ロイター/Hannibal Hanschke)

 ドイツのデメジエール内相は23日、難民施設に対する攻撃が前年比5倍超に増えるなど、昨年の右翼過激派による犯罪件数が過去最高に上ったことを明らかにした。

 2015年の年次犯罪報告書によると、極右による政治的動機付けを持つ犯罪が35%急増し、01年の調査開始以来最高の2万3000件に達したと発表した。全般では19%増加し3万9000件近く。

「政治的動機付けを伴った犯罪の急増は社会の危険性増大を示唆している」と、同内相は会見の席で記者団に述べた。

 襲撃や殺人などの暴力犯罪件数は、右翼による襲撃が44%急増したことを反映し、全体で31%増加した。難民の一時受け入れ施設に対する攻撃は、前年の199件から1031件に急増、そのうち923件は極右が絡んでいた。一方、左翼による暴力犯罪件数も35%増加した。

 同内相は、今年第1・四半期だけで難民施設襲撃がすでに347件に上ったことを考えれば、犯罪件数は今年も増加が見込まれると述べた。

[ベルリン 23日 ロイター]


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