最新記事

領土問題

米軍「航行の自由」作戦、昨年は中国など13カ国を対象に実施

2016年4月27日(水)19時12分

 同省の声明は、フィリピンに近い中沙諸島の黄岩島(同スカボロー礁)付近での最近の米軍機による飛行をめぐる報道を受けたものだ。黄岩島をめぐっては、2012年にフィリピンの沿岸警備隊とのにらみ合いの後、中国が実効支配を続けている。

 米太平洋軍のハリー・ハリス司令官は今年に入り、米海軍による南シナ海での「航行の自由」作戦を強化する方針を示した。理由としては、中国が現地で軍事施設を建造し、実効支配を狙っているとの懸念を挙げている。

 また、昨年行われた米軍の「航行の自由」作戦は、中国が主張する排他的経済水域(EEZ)上空の管轄権や、航空機の飛行を制限するため中国が設定した東シナ海上空の防空識別圏をけん制している。

 米軍が昨年、同作戦を実施した対象国数は、過去10年以上で最大となった2014年の19カ国には及ばなかった。

 イランとフィリピンは長年、最も頻繁に挑戦を受けてきた国だ。込み合う海上交通路にまたがって位置する両国が、交通路を制限したり、統制しようとしたことが主な理由になっている。

 (David Alexander記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)

 

[ワシントン 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日本供与のエムポックスワクチン、3分の1が廃棄 コ

ワールド

焦点:米航空会社、感謝祭目前で政府閉鎖の影響に苦慮

ワールド

アングル:ガザ「分断」長期化の恐れ、課題山積で和平

ビジネス

国内外の不確実性、今年のGDPに0.5%影響=仏中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 6
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 7
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 8
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 9
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 10
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中