最新記事

中国社会

景気減速の中国、消費者の節約志向が招く「修羅場」

2016年3月22日(火)10時38分

 豪ウエストパック銀行による最近の消費者調査では、消費者のセンチメントは昨年10月以降で最も低かった。「2月の最新データは、引き続き弱い状況を示しており、失業懸念の高まりが再び消費者のムードに重くのしかかっている」と、同銀のシニアエコノミスト、マシュー・ハッサン氏は語った。

 ハッサン氏はまた、消費者需要が勢いを失えば、成長がさらに長く低迷するリスクが高まると指摘した。

生存競争

 一方、一部の企業はそのような消費低迷をものともしない。

 米コーヒーチェーン大手のスターバックス、スポーツウエア大手のナイキやアディダスのような「手ごろなぜいたく」を提供する国際的なブランドは依然として業績を伸ばし続けている。アディダスは同社のビジネスに対する影響は見られないとし、2020年末までに中国で新たに約3000店舗を展開する計画だ。

 しかし、中国の景気減速は小売業に打撃を与え、多くの企業は事業の縮小や成長著しい小都市への重点的な取り組み、さらなる値引きを余儀なくされていると、業界幹部や消費財メーカーは指摘する。

「消費の場がオンラインや小さな店に移るなか、対応に苦慮している」と、ある外資系大手消費財メーカーの販売担当幹部は語る。「修羅場に直面している」と同幹部は言う。

 この幹部の話では、一部の小売業者の在庫水準は、通常の平均である約2週間分から9カ月分にまで急増したという。

 このことは、小売業者と消費財メーカーの双方にとって、宣伝方法を再検討する必要があることを意味している。中国に拠点を置く広告会社の幹部によれば、一部の企業は二重のマーケティング戦略を採用しているという。富裕層をターゲットとする高級な外国製品を展開すると同時に、人気があり価格が手ごろな中国ブランドを買収することだ。

 英日用品メーカーのレキット・ベンキーザーの最高経営責任者(CEO)は先月、中国企業の買収により同国で販売する喉の痛みに効く市販薬は「ローカルヒーロー」だと語った。

警告のサイン

 すでに今年、弱い消費者需要のせいで、中国に重点を置く消費財メーカーの業績は大幅な下方修正を迫られている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

マクロスコープ:中国の対日禁輸、政府内に動揺 「企

ワールド

豪CPI、11月は前月比横ばい コア高水準続き利上

ワールド

中国、台湾独立派3人に制裁 親族の入境も禁止

ビジネス

午前の日経平均は反落、年初急伸の反動売り 下げ渋り
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 7
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 8
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 9
    砂漠化率77%...中国の「最新技術」はモンゴルの遊牧…
  • 10
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中