最新記事

シリア

ISISによる自爆テロで60人超死亡、一方で和平協議も本格化

流血の惨事が続くシリア情勢だが、一方で反体制派の主要組織が和平協議に参加するなど希望の兆しも

2016年2月1日(月)11時47分

1月31日、シリアの首都ダマスカス南部で、自爆攻撃などによる爆発が相次ぎ60人以上が死亡した。過激派組織「イスラム国」がイスラム教シーア派武装組織の重要拠点を狙ったとする犯行声明を出した。写真はアレッポで2013年9月撮影(2016年 ロイター/Muzaffar Salman)

 シリアの首都ダマスカス南部で31日、自爆攻撃などによる爆発が相次ぎ60人以上が死亡した。過激派組織「イスラム国」がイスラム教シーア派武装組織の重要拠点を狙ったとする犯行声明を出した。

 英国を拠点とするシリア人権監視団によると、死者のうちシーア派の民兵が25人に上るという。シリア内務省は、負傷者も100人を超えると発表していた。

 一方、ジュネーブで行われているシリア和平協議は、反体制派の主要組織「高等交渉委員会(HNC)」が31日に初めて参加。仲介役を務める国連シリア問題担当のデミストゥラ特使と個別に会談した。

 反体制派の政治団体や武装組織から成るHNCは先に、内戦による民間人への被害が減らない限り、和平交渉から離脱する可能性があると警告した。ただ、当初は協議前に空爆などの攻撃を停止していたことから、HNCが柔軟な対応を示しつつあるともみられている。

 HNCのスポークスマンはデミストゥラ特使との会談について、人道問題に関しては非常に建設的で望みを与えるものだったと述べた。

 また西側外交筋は、同特使が双方に提案を行ったと明かし、その内容は「非常に堅実なものだ」と評価した。

  

[ジュネーブ 31日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の

ワールド

米政権、ハーバード大の特許権没収も 義務違反と主張

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 10
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中