最新記事

中国社会

「テロに悩む国」の仲間入りする中国

89年の天安門事件以後の締め付けはもはや通用しない

2014年6月3日(火)15時52分
ジョシュア・キーティング

日常茶飯事 ウルムチの自爆テロ現場を警戒する警察官 Petar Kujundzic-Reuters

 新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで先週、朝市に車数台が突っ込む自爆テロが起きた。39人が死亡、94人が負傷したとされるにもかかわらず、国際社会の反応は鈍かった。

 国際的にニュースがあふれているせいもあるだろう。だが何より、中国でのテロが絶望的に日常化しているからでもある。ウイグル族の犯行とされるテロが近年多発しているが、死者数も爆弾という手段も、今回のテロのほうがはるかに過激だ。以前は凶器はほとんどが刀だった。昨年10月に天安門に車両で突っ込んだときも積んでいたのは刀や容器に入ったガソリンだ。

 中国が深刻なテロ問題を抱えた国家になりつつあるのは間違いない。先月末にウルムチ駅で約80人が死傷した爆発テロは、習近平(シー・チンピン)国家主席が自治区を視察し、漢民族支配に抵抗するウイグル族の独立主義者に「先制攻撃」を宣言した直後だった。

 中国の新華社通信は、独立主義者の標的が公安局や警察車両など政府関係ではなく、手当たり次第に選んだ一般市民へと変わってきていると報じている。
ウイグル自治区で締め付けを強化するという中国の対テロ政策は確実に破綻しつつある。

© 2014, Slate

[2014年6月 3日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国、年金基金のポートフォリオ見直しへ 為替変動と

ビジネス

エンブラエル、2年以内に年間納入100機目指す=幹

ワールド

対カナダ通商合意「第三国を念頭に置かず」 中国が米

ワールド

マクロスコープ:住宅コスト高騰、国内消費の重荷に 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 8
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 9
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中